
逢わずしては何も始まらない、逢ったとしても終わりではない(写真=123RF)
業界をリードする人の言葉や考え方に心酔し、傾倒することは誰しもあると思います。あるいは、「なんだ、そんなもの」と拒むこともあります。
肯定にしろ、否定にしろ、それは自我を護り、自己を保つためです。その人の世界観で生きていこうとするか、自己を保つために、飲み込まれるのを回避しようとするかの違いです。
距離を置いて慎重に接しながら、一つを選び取る。選んだあとはどっぷりと、信じ仰いでついていく。信仰とは、これら二つの組み合わせで成立すると思われがちです。
しかし禅では、それは信仰ではありません。これを端的に表したのが、臨済宗の開祖、臨済義玄(?~867年)による「仏に逢うては仏を殺せ。祖に逢うては祖を殺せ。」です …
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