
OOHは公共空間をメディアとして利用できることから、ある日常的な光景そのものを半ば強制的に異質なものに変えることもできる。
ネットフリックスが今年5月に実施したJR山手線の車内ジャック広告もその代表例だ。同社のオリジナル番組『リラックマとカオルさん』の告知で、山手線車内をさまざまなコピーの書かれたポスターで埋め尽くした。ポスターには「郊外に住みましょう。」「ポイントをためましょう。」「英語を身につけましょう。」「脱毛しましょう。」といった、ふだん電車内でよく目にする広告が語りかけてきそうなメッセージが、ちょっとした風刺をきかせて掲出されていた。
この番組は癒しキャラのリラックマとOLの日常を描くほのぼのとしたストップモーションアニメだが、「世の中がんばることが多すぎるので、がんばることを忘れるためにリラックマの番組を観ましょう。」というメッセージが逆説的に込められている。
この広告はTwitterユーザーの投稿をきっかけに瞬く間に拡散し、さまざまな反響とともに多くの人への認知獲得につながった …
あと60%