
先日、食事をした旧知の友人との別れ際に、おみやげをもらった。「端午の節句」にちなんだ、とらやの羊羹(ようかん)であった。筆者が日本でパッケージデザイン力のあるブランドとはどこかと聞かれれば、挙げるのは無印良品。もうひとつはとらやである。
一つひとつのデザインがすばらしい企業やデザイン事務所はあっても、会社としてデザインの品質を高いレベルで管理し、その会社らしさを一貫してパッケージに込められる企業は多くない。
とらやは室町時代後期に京都で創業し、500年近い歴史を持つ和菓子屋だ。同ブランドのデザインは、サン・アドが2004年から手がけている。店舗サインから商品パッケージ、幅広いデザイン分野をディレクションしているのは、同社の葛西薫氏だ。
制作にあたっては...
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