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令和元年 新しい日本のプロモーション

APIが動かす共同経済── スタートアップ首都ベルリンから

武邑光裕氏

「API」と聞いても「なにかネットのこと?」という理解にとどまるかもしれない。しかし、このAPIが、社会のあり方を再構築しようとしている。メディア美学者の武邑光裕氏が"スタートアップの首都"ベルリンから解説する。

    2000
    APIは小さな欲望機械

    APIは2000年ごろから、Webサービスの機能を外部から用いるためのものとして使われている。

2019→
ビジネスを構築するAPIはデジタル経済の接着剤

API(アプリケーション・プログラム・インタフェース)は、異なるソフトウエア・コンポーネントが互いに通信し、データの共有を可能にするインターフェイスだ。APIによって相互接続される優れたマイクロサービスを選択することで、ビジネス全体を構築することさえ可能となる。APIはサービス、アプリケーション、システムをつなぐ「デジタル経済の接着剤」として機能する。

米国の代表的ユニコーン企業となったUber(ウーバー)は、設立の翌年2010年にはすばやくサービスを開始した。

創業当時、サンフランシスコの小規模な運転手コミュニティ以外は、Uberについて知っている人はほとんどいなかった。同様に、Airbnb(エアービーアンドビー)は2008年に設立されたが、2014年には宿泊利用数が100万件に達していた。

今日、これら2つのサービスは都市のモビリティと宿泊環境に革新をもたらし、ビジネス利用から観光客に至るまで必須のサービスとなっている。

Uberは、「Google Maps API」を使用して顧客とドライバーをつなぎ、「Google Cloudmessaging API」を用いて顧客との対話を実現した。PayPal(ペイパル)の「Braintree API」は顧客の支払いのために用いられる。Uberの主要なサービスは、いくつものAPIによって成立している。

もちろんUberも独自のAPIを開発し、異業種の企業との連携を促している。たとえば「OpenTable」を利用するレストラン予約客用に、UberのAPIをアプリに組み込むと、予約時にレストランへのクルマの手配が実行できるという具合だ。もちろんAirbnbもAPIなしには今日の成功はない。

旅行予約会社Expedia(エクスペディア)のホテル客室予約事業を担う「Expedia Affiliate Network(EAN)」は、トラフィックを増やして、より高い成約率を実現し、航空会社や旅行代理店を含む、より広範囲なパートナーとの相乗効果を生むように設計したAPIを公開している。

Expediaは現在、APIを介して収益の90%を生み出し、さらに新しい収益源やExpedia用の新しい流通チャネルを生み出している。EANには、1万のパートナーが含まれており、年間7000万以上の宿泊予約を処理している。

個々の機能を持つ部品がデータを共有しながらブロックのように組み合わさり、ひとつの機能を果たす。(写真=123RF)

2019→
APIエコシステムの成熟 新事業の成長促進と既存の再構築

誰も考えていなかったこと、以前は実行不可能だったことがAPIで実現される。APIの恩恵により急速な事業拡大を実現した企業は、彼ら自身もAPIを提供するテクノロジープロバイダーとなり、APIエコシステムはさらなる成熟を遂げていく。

多くの企業がいま探そうとしているのは、自分たちの企業価値をさらに高めるために、どのようにAPIとつながるかという課題だ。

過去15年間で、APIは新奇的な話題からITトレンドへ、そしていまや、あらゆるビジネスのコア技術となるまでに成長してきた。

2018年1月時点で、世界には1万9000を超えるAPIがあり、2017年には2200の新しいAPIが追加された。この成長傾向は過去4年間連続している …

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