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令和元年 新しい日本のプロモーション

テクノロジー発展に合わせ柔軟に進化とげたダイレクトメール

明石智子氏(電通ダイレクトマーケティング 取締役)

広告手法の中でも古参のひとつと言えるダイレクトメールだが、その時代時代に登場するテクノロジーを柔軟に吸収し、役割を変化させてきた。ひるがえせば「令和」でも前例にとらわれず、新たな活用を見出すことが重要となりそうだ。

    1952~1955
    主に百貨店が活用

    「ダイレクトメール」という用語は1952年~55年ごろまで遡れる。1955年には広告電通賞で部門化。

1989→1998
レスポンス重視型のDM CRM、ワン・トゥ・ワンの登場

平成最初の10年間は、アナログメディアを使ったレスポンスマーケティングが主流だった。レスポンスマーケティングの基本は、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアに広告を出稿し、電話で注文や資料請求といったレスポンス(反応)を獲得することだ。

そして、反応者に対してパーソナルメディアであるダイレクトメール(DM)で"説得"を行い、購入を促す。反応者が顧客となった後は、主にDMを用いて顧客を維持するのが定番だった。

90年代後半には、データベースに基づくマーケティングにも進展が見られ、顧客属性に基づいて個別にアプローチする「ワン・トゥ・ワンマーケティング」が提唱される。

1995年には、顧客接点で得た情報を管理し、長期的にリレーションを高める概念について、ガートナーグループがCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)と命名。現在まで幅広く用いられるようになった。

さて、当時の「全日本DM大賞」の入賞作を見てみると、やはりアップセルやクロスセルを促す通販業界での活用事例が多い。

しかし中には、ワン・トゥ・ワンマーケティングを念頭に置いたような例も見受けられる。たとえばガソリンスタンド会員に、来店頻度や購買状況に合わせて内容を変えたハガキを送り、顧客との関係性を高めた施策だ。化粧品会社がプレス向けに新商品をティザー的に告知したり、テーマパークが新アトラクションを体験型で紹介、受け取る側に強烈な印象を残しつつ、来場を促す手法としても活用したケースがある。

CRMも同様で、顧客との関係を強化し、より良好にすることを目的にした施策もある。たとえば金融機関のバースデーDMや、継続的な接点のひとつとなる会報誌、ロイヤル顧客向けの特別オファー提供プログラムなどだ。航空会社では、マイルプログラム会員の利用促進や、丁寧なアンケートによる顧客満足度を向上させる施策としてもDMを活用した。

1995年以降、インターネットの利用が進み始めるが、このころはまだ、インターネットサービスの告知としてCD-ROMを送付するといった原始的な手法にとどまっていた。

しかし、次第にネット接続が日常的なものになると、DMの内容にも変化が起き始める。

ダイレクトマーケティングのバイブル『THE ONE TO ONE FUTURE』(ドン・ペパーズ、マーサ・ロジャーズ)。初版は1993年(写真はペーパーバック版で1997年発行のもの)

1999→2008
レスポンスの戦場はWebへ DMは重要顧客向け、IMCにも

中期の10年間で、ダイレクトマーケティングのネット活用が進む。それまでは電話でのレスポンス獲得がメインだったが、検索してWebサイトへのアクセス、そして購入を促すようになる。並行して、インターネット広告やEコマースも急速に拡大していく。

顧客とのコミュニケーションには、短期間に効率よく、コストを抑えて、手軽にアプローチできる利点を持ったEメールが主流に。

ダイレクトメール(DM)は、ロイヤル顧客などターゲットを絞り込んだアプローチが多くなる。百貨店や小売店のお得意さま向けDMなどがその例だ …

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