良品計画は4月4日、「MUJI HOTEL GINZA」と「MUJI Diner」を併設した世界旗艦店「無印良品 銀座」をオープンした。コンセプトは「ヒトとつながる」「マチをつなげる」。銀座の中心地で良品計画は何を発するのか。「無印良品 銀座」の「体験」を、紐解いてみよう。
「わけ」を伝える店舗 原点は「これでいい」ものづくり
良品計画は4月4日、世界旗艦店「無印良品 銀座」をオープンした。地下1階、地上10階からなり、6階から10階は「MUJI HOTEL」が入る。地下1階にはレストラン「MUJI Diner」が、1階にはベーカリーやジューススタンドが入るなど、これまでの「無印良品」店舗とは一線を画すつくり。入館者数は年間230万人を目指す。
良品計画が1980年の創業時に掲げたのは、「わけあって、安い」というキャッチフレーズ。それから39年が経過し、銀座店で重視したのは、「わけが伝わる」ことだ。「わけ」とはつまり、価格の合理性を指す。
「良品計画が1980年の創業当時、最初に発売したのは、『こうしん われ椎茸』。発売の背景には、百貨店では傘も大きさも揃った椎茸が数千円で売られている一方、産地に足を運ぶと、その基準に満たなかった椎茸が捨てられている。不揃いでも割れていても味は一緒なので、これを安く売ったらいいのではないか、と販売しました。するとお客さまからは良い反応が。『これがいい』よりも、お客さまの理性的な満足感を過不足なく満たす『これでいい』というのが、良品計画のもの作りの原点です」(無印良品 銀座 執行役員 店長 齊藤正一氏)
「これでいい」と消費者の納得がいくためには、やはり、「わけ」が必要だ。そのため売り場では、「わけ」と「価格」をしっかりと伝えるよう、意識している。商品と共に素材を展示したり、スニーカーを販売する際には中敷きも同様に展示したり、商品の製法を掲示したり。価格は消費税込みの分かりやすい表記で統一した。また青果販売のコーナーでは「テイスティング・アドバイザー」と呼ばれる販売員が、旬についてや生産の背景などを口頭で伝えている。
同様に、商品をより知ってもらうべく「MUJI HOTEL」のマットレスや布団、家電、アメニティなどは「無印良品」のものを使用 …