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THE CITY BEYOND CITIES

英国 ワイン産業の勝算

小西純子

英国と日本には共通点がある。島国で、人口密度が高い。かたや武士道、かたや騎士道。象徴君主を置き、お茶が好き。全く異なる点もあるが、英国のいまは、ヒントになるだろう。現地からのレポートをお送りする。

17世紀創業の王室御用達ワイン商。ワイン流通の歴史的担い手としての英国を象徴する。

EU諸国から日本へ輸出するワインの関税が撤廃され、さまざまなワインに手が届きやすくなった。英国でもワインに視線が集まっている。近年、フランスのシャンパーニュメゾン(シャンパン生産者)が英国へ進出しているためだ。彼らの成功を期して、ワイン醸造業に投資する人も英国内外に増えている。

2014年には、ワイン大手のポメリー社が南イングランドの醸造所「ハッティングレイ・ヴァレー」と提携し、同時に自社畑を開墾した。2015年には、高級メゾン「テタンジェ」が南イングランドのケント州の土地を共同購入して自社畑とした。「テタンジェ」ブランドの英国産スパークリングワインは2023年ごろに誕生する予定だ。

英国でワイン生産、と聞いてもピンとこない方も多いかもしれない。確かに夏でも涼しく、曇り空でよく雨が降る…そんな英国の気候の印象と、太陽光を浴びて育つブドウのイメージは相いれない。しかし、南イングランドの土地を購入した先述のシャンパーニュメゾンにはいくつか勝算がある...

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