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経営トップ 販促発想の着眼点

新聞を配るだけではない 地域に愛される配達員を目指す

江崎新聞店

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

江﨑新聞店 取締役社長室長
江﨑亮介氏

1989年、静岡市葵区生まれ。東京大学経済学部経営学科を卒業後、外資系消費財メーカーのマーケティング部門に勤務。退職後は埼玉・群馬・栃木・千葉・大阪・和歌山の新聞販売店を転々とした後、実父が社長を務める江﨑新聞店に入社。同時に同社子会社の興行会社である静活と、広告会社である静岡オリコミにも入社。現在江﨑新聞店、静活、静岡オリコミの取締役社長室長。

売上高30億円達成 東日本トップクラスの新聞販売店

静岡市の江﨑新聞店は、1909年(明治42年)に創業した老舗の新聞販売店だ。配達エリアは静岡市葵区と同・駿河区で、毎日新聞、日本経済新聞、静岡新聞、スポーツニッポンなどを扱う。

近年は、新聞購読者を増やすためにデジタル事業へ力を入れたり、グループ会社と共同で静岡市内に複合商業施設を開いたりと、一般的な従来の新聞販売店の枠を超えた取り組みを展開している。

「江﨑新聞店の売上高は約30億円で、独立系の新聞配達店では、東日本で最も大きな配達店と言われることもあります。近年は、新聞購読を巡る環境の変化などもあり、新しい取り組みをいろいろとスタートさせています」(江﨑新聞店取締役社長室長の江﨑亮介氏)

そのひとつに、地域での防犯活動がある。江﨑新聞店の新聞配達員は、警察官の着るようなデザインの防犯ベストを着用し、新聞を配達しているのだ。

「新聞を配るだけの配達員ではなく、地域に必要とされる配達員──おこがましい言い方かもしれませんが、『地域に愛される配達員になりたい』と考え、始めた施策です」(江﨑氏)

住居に不法侵入し、強盗などを行う犯罪者は、事前に現場を下見することが多く、朝刊を配る時間帯に行われる傾向にあるという。しかし、警察には事件や事故への対処もある。防犯対策として、念を入れすぎるということはないだろう。

「そこで、配達員が地域の防犯の役に立てればと思いました。こうした活動が認められ、地元の警察署からも表彰されています」(江﨑氏)

また、江﨑新聞店の配達員の多くが、救急救命処置ができる資格を持っている。配達中に処置を必要とする人が出たときに対応できるよう、というのが主な目的だが、地域の小学校や防災関連のイベントなどで、AED(自動体外式除細動器)の使い方や救急処置の方法などをイベント参加者に教えることも少なくない …

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