アパレルブランドの「dilemma(ダイレマ)」は2月25日から3月3日にかけ、期間限定のコレクションの発表と販売を、ネットオークションの「ヤフオク!」で実施した。販売したのはスウェットと、Tシャツ(長袖、半袖)。いずれも黒と白の2色展開で、6アイテムを2つずつ、計12点出品した。
入札期間7日間で、のべ448件の入札があった。最低落札額は1円でスタートしたが、最高落札額は黒のスウェット(写真)2万4000円となった。通常同ブランドでは、Tシャツを約1万円、スウェットを約2万円で販売しているが、いずれもふだんの販売額を上回った。
「ダイレマ」は国内のセレクトショップ6店舗、韓国1店舗に商品を卸すほか、自社でオンラインショップを運営している。
今回の企画で、ネットオークションによる販売方式を選んだ理由について、「ダイレマ」ブランドマネージャーの髙前翔太氏は、「購入者が商品価格を決めるオークションを選んだのは、《本物》の価値を、購入者自身の感覚を通して考えていただきたかったため」と語る。
「私たちはあらゆるものを、本物とそうでない物に分けて価値をつける傾向にあります。しかし、見る角度によって、本物も偽物に、偽物も本物になりえます。唯一頼りになるのは、自らの感覚や信念だけなのではないでしょうか」(髙前氏)
商品には未発表のグラフィックをプリントしたほか、本来の「ダイレマ(dilemma)」のロゴより「m」をふたつ多く記載。《本物》の「ダイレマ」商品なのか、偽物なのか、購入者の目をくらますような演出も施した。