販売促進の専門メディア

THROUGH BOUNDARIES

本物と偽物

宇野 全智(禅僧/曹洞宗総合研究センター研究員)

<わたし>が何者かという現実感は連続性に依存する。もし連続性が断ち切られたら、どちらが本物の<わたし>だと確かめればよいか。写真は、チェコ・プラハにある、フランツ・カフカの顔をモチーフにしたモニュメント(写真=123RF)

高校を停学処分になって私のお寺に預けられてきた女の子の話です。寺に来てからの彼女は人が変わったように真面目に、一所懸命に、お檀家さんへのお茶出しや茶碗の洗い物などを手伝うようになりました。ある日のこと、私と二人でコーヒーを飲んでいた彼女がこう言いました。

「私はね、本当は悪い子なの。ここにいる間、良い子のマネをしているだけなの」

ここで皆さんに質問です。「その時の彼女」は「本物の良い子」だと思いますか、それとも「偽物の良い子」だと思いますか。そして「本当は」とか、「マネをする」とは一体どういうことなのでしょうか。

実はこの問いは、禅の修行観(修行と悟りの関係)を考えるうえで極めて重要な問いでもあります …

あと64%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

THROUGH BOUNDARIES の記事一覧

本物と偽物(この記事です)
意識データを再考する── マーケティングと「正当化」
物語の主人公、禅の主人公
国外にわたって勉強すること
行動データの時代に「理由による正当化」を再考する
ディスプレイの『白紙』に
処方せん割引と情報格差
DIY精神をどうアップデートしていくか
スライド資料と「理由の空間」
本当は、その逆なんじゃないの?
かかりつけ薬局を支えるPhTとは
「論理的」は「規範的」?──分析哲学とプラグマティズム

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する