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SPORTS TEAMに学ぶ集客術

回覧板とBNGでみんな幸せ 20周年を迎えたアイスバックス

H.C.栃木日光アイスバックス

アイスホッケーの国際リーグ「アジアリーグアイスホッケー」に参戦するH.C.日光栃木アイスバックス。その名の通り、栃木県日光市を本拠地とするアイスホッケーのクラブチームだ。日本最古の実業団チームをルーツに持つアイスバックスは、日本らしさとグローバルスタンダードを融合させた集客術でファンとの絆を深めている。

H.C.栃木日光アイスバックスの本拠地霧降アリーナ。

日本最古のチームを継承 2019年は20周年の節目

H.C.栃木日光アイスバックスは、アジアリーグアイスホッケーに参戦するアイスホッケークラブだ。その歴史は1999年に廃部を発表した古河電工アイスホッケー部を「HC日光アイスバックス」として引き継いだことから始まった。

日本アイスホッケーリーグ(当時)初の市民クラブとして発足したものの、運営母体の変更、それにともなうチーム名称、本拠地の追加や変更といった紆余曲折を経験。2007年に現在の運営会社栃木ユナイテッドがクラブを受け継ぎ、現体制となった。2010年には、チーム名称に「栃木」を加え、現在まで「H.C.栃木日光アイスバックス」として活動している。

アイスホッケーは、冬季オリンピックの公式競技である上、アメリカでは4大メジャースポーツのひとつだが、日本での認知度はまだ低い。

トップレベルのリーグは、実業団チームによる日本アイスホッケーリーグが1966年から開催されていたが、チーム数の減少などもあり、2003年には韓国のクラブを加えたアジアリーグアイスホッケーへ移行。その後、ロシアや中国のクラブ(2016-17シーズンまで)も参加し、2018-19シーズンは日本、韓国、ロシアの3カ国8クラブがしのぎを削る。

アイスバックスの本拠地は、日光市の栃木県立日光霧降アイスアリーナ。座席数は1600席、立ち見を含めると最大で2000人まで収容できる。

アイスバックスの衣笠伸正・事業推進本部長によると、2018-19シーズンの平均観客数は1344人で、座席数に対する稼働率は80%を超えた。ただ、細かく見ると休日は平均1540人、平日は同1063人なので、試合開催日によっては、動員数を伸ばせる余地が多く残されている。

地域性やターゲットを深く知る 「回覧板」や「寄付」も

来場者の多くは、前身の古河電工アイスホッケー部時代から応援しているファンだ。「ありがたいことに日光にはアイスホッケーの文化が根付いていました。古河電工時代からのファンである年配の方とその子ども、孫と、2世代、3世代で来場いただけているのは私たちの強みだと思っています」(衣笠氏)

古河電工アイスホッケー部は1925年創部で、日本最古のアイスホッケーチーム。その活躍を支えてきた地元こそが資産だと言える。そのためアイスバックスは地域での活動に積極的だ。

「選手がお祭りに参加してお神輿を担いだり、田植えを手伝ったり、住民の皆さんとのつながりを持つ機会は多くしています」(衣笠氏)

来場者は、40歳代~50歳代がボリュームゾーン。それ以上の年代のファンもいるため、チームの情報を伝えるのにも世代を意識している。

「日光市周辺では、いまも回覧板が使われています。そこに、チームの活動を伝える瓦版『BUCKS NEWS』を一緒に回覧してもらい、情報発信しています。高齢の方だとネットも見ないので、回覧板は有効だと考えています」(衣笠氏)

また、回覧板では一口500円からの賛助会費も募集している。個人スポンサーほどではないものの、チームにとっては運営資金の一部となり、賛助する側には参加意識が生まれる。

「賛助会はチーム設立当初から継続しています。最初は本当に運営資金を集める意図があったのかもしれませんが、いまは地域とのコミュニケーション、チームへの関与度が高まることを期待する、と役割が変わっています。人は100円でも200円でも寄付をすると、その対象への興味が高まるものです。また、チームは賛助会費をもらうことで地域に支えられていることを実感できる。双方に効果がある仕組みになっています」(衣笠氏) …

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