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SPORTS TEAMに学ぶ集客術

北海道179市町村のファン化を目指す ファイターズの集客術

HOKKAIDO NIPPON-HAM FIGHTERS

2018年11月、北海道北広島市が新球場の建設地となることを発表した北海道日本ハムファイターズ。2004年に北海道へ本拠地を移してから、地域に愛される球団となるべく、地道な活動を続けて来た。2023年の新球場の開場へ向け、さらなるファン獲得を目指すファイターズの取り組みを紹介する。

新千歳空港国内線ターミナルビルにオープンした、ファストカジュアルダイニング「FIGHTERS DINING ROSTER~DELI&ROAST~」。ボールを持ってこちらを見ているのは、マスコットキャラクターの「B☆B(ブリスキー・ザ・ベアー)」。

「お祭り」から日常の楽しみに 北海道移転時の課題

北海道日本ハムファイターズは2004年、東京ドームから札幌ドームへと本拠地を移したことによって誕生した。移転2年めとなる06年シーズンには、25年ぶりのリーグ優勝を果たし、さらには前身の東映フライヤーズ以来44年ぶりとなる日本一にも輝いた。

プレー面では、小笠原道大や新庄剛志、稲葉篤紀、森本稀哲といった実力者が活躍しながら、ダルビッシュ有(現=シカゴカブス)、中田翔、大谷翔平(現=アナハイムエンゼルス)などの有望な若手選手を相次いで獲得。

ダルビッシュや大谷は、ファイターズでの活躍を経て米メジャーリーグへ移籍したが、17年には清宮幸太郎、18年も高校野球で「金農旋風」を起こした金足農業高校から吉田輝星といったスター性のある選手を得る。球団は現在も、球界の話題と注目を集め続けている状況だ。

札幌ドームの収容人数は4万1138人、2018年は総入場者数196万8916人、1試合平均2万7731人と常に7割近い客席を埋めている。16、17年は総入場者数200万人越えを記録した。この数字は移転2年めの日本一や、人気選手たちの活躍によるところもあるが、地元に根付こうとする球団の努力によるものでもある。

北海道日本ハムファイターズの事業統轄本部コミュニティリレーション部の清水聖子ディレクターは、「かつて北海道でのプロ野球は、年に数回、読売ジャイアンツの公式戦が行われる程度。そのため、日常的な楽しみというより、お祭りのような(非日常的な)一大イベントでした。球場へ行けない方にとっては、野球はテレビで見るもの。そうした人々に年間70試合近く、チケットを購入して来場してもらうというのは大きな課題でした」と当時を振り返る。

当時はまだ認知度の低かった北海道で、ファイターズのファンを増やし、リピーターを育てることは、見た目以上にハードルが高い。いまでこそ14万人以上のファンクラブ会員を誇り、入会者も試合ごとに数十人単位で集まるというが、当時は1試合で1人が入会するかどうかという状況だった。

当時、ファンクラブグループを担当していた清水氏は、移転前からファンクラブ業務に携わっていた担当者と共に、会員向けサービスを開発。そのひとつが現在も人気を集めるピンバッジが入ったカプセル自販機だ。

球場へ行ったことを示すだけではなく、「トライできるのは1日5回までと制限したり、カプセル販売限定で10種類用意したりして、コレクター心を刺激することを狙いました。お客さんがピンバッジをつけて街を歩くことで『あれ何?』『欲しい』という興味喚起にもつながったのではないかと思います」(清水氏)

また、加入者増に貢献したのは、会員更新の自動化だ。それまで、年会費3000円の1年ごとに申請を受け付けていたものを、会員からの申請がない限り、自動で更新され、会費も引き落とされるようにした。これにより退会率も減少したという。

チケット販売では、09年から12球団でもいち早く二次元コードを活用した、入場方法を導入した。人気選手の存在とチームの活躍だけに頼らず、来場しやすい、来場したいと思ってもらえる環境を整え、観客を増やしてきた …

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