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身構えがちな英語接客 意外な誤解と「伝わる」事例集

甲斐ナオミ氏(翻訳家/接客英語専門出張英語スクールマリア代表)

日本政府観光局によると、2018年の訪日外国人客数は史上初めて3000万人を突破したという。接客の場においても、急増する外国人客への対応が急務だ。しかし、あくまで人と人とのコミュニケーション。頭の中の「外国人」像にしばられず、できる限りお互い歩み寄ることが、おもてなしにつながるのだろう。甲斐ナオミ氏に、日本人が抱きがちな誤解と伝わりやすい英語表現について聞いた。

【誤】外国人はみんなネイティブ

外国人が来店した際、緊張のあまり、とっさの一言が出てこないという人は多いです。これは「自分の英語力が相手の英語力よりもはるかに低い」と先に判断してしまうから。しかし世の中で、英語ネイティブ同士の会話は英語を用いた会話全体のうち、たったの4%(Graddol,2006)と言われています。ほとんどの会話はネイティブと非ネイティブ、または非ネイティブ同士のものなのです。

【誤】正しい英語でなければ伝わらない

日本の英語教育は文法を重視する傾向があるため、「正しい英語でなければ外国人に伝わらない」と考えてしまう日本人は多いのですが、実際は、「正しい英語」と「伝わる英語」は別物。「正しい英語」を話せるようになるのではなく、「伝わる英語」にフォーカスすべきです。そもそも、外国人は日本人の発音や文法を気にしていません。

【誤】外国人は全員フレンドリー

私が英語を教えるときに、シャイな日本人を勇気づけるために「外国人はフレンドリー」なのでどんどん声をかけると良いよ、と伝えることがあります。しかし、一口に「日本人」と言っても、積極的な人も消極的な人もいるように、人はみな、それぞれ。多少の国民性の違いはありますが、外国人でもシャイな人はいることを頭に入れておきましょう。

【誤】目線を合わせると失礼

欧米人同士では、目と目のやりとりが会話の中で大切です。目線をそらすとまじめに聞いていないと思われることもあるので、接客の際はできるだけ目を合わせて話しましょう。「話に耳を傾けてくれている」という好印象を与えます。

【誤】日本の丁寧なおもてなしをそのまますれば良い

日本ではごく当たり前のおもてなしも、外国人にとっては「やりすぎ」と思われることも少なからずあります。たとえば、商品を購入して店を出るとき、店員が「出口までご案内します」と、一緒に歩くことがあります。実はこの風習は外国人にとっては妙な感じがすることも。日本のおもてなし精神はすばらしいと思われる反面、度が過ぎて驚かれることもあるのです。

【誤】「質問攻め」も全然問題ない

よく海外ドラマでお客さまと店員が楽しそうに雑談をしているシーンを見かけます。おしゃべりなお客さまですと、かなりパーソナルなことを話すこともあります。しかし、だからと言って接客をする側も「質問攻め」をしても問題ないというわけではありません。

特に外国人にとってはNG、または妙に感じられる質問で、日本人が聞きがちなものには「血液型は何ですか?」「~は食べられますか?」などがあります。特に食べものについては、「何か食べられない物はありますか?」と聞くべきです。

【誤】「どうぞ」=「Please」

人に何かを渡すとき、「どうぞ」という意味で、「Please.」と言う日本人を多く見かけます。実はこの使い方は誤りで、「Here you are.」または「Here you go.」が正解です。ちなみに、「Please.」が「どうぞ」の意味で使えるのは、「~してもいいですか?」と許可を求められたときの返事。たとえば、洋服を試着したいお客さまが「Can I try this on?(これ、試着しても良いですか?)」と尋ねられた場合、「Please, the fitting room is over there.(どうぞ、試着室はあちらです)」などと使います。

【誤】外国人は日本に関するすべてを不思議に思っている

最近は日本の風習や文化について、かなりくわしい訪日外国人が増えており、中には日本人以上に知識のある方もいます。中国や韓国の方はひんぱんに日本を訪れるケースも多いです。また、日本に移住する外国人も増えているため、接客の際、すべてを丁寧に説明する必要のない場合があります。

【誤】受け答えの時のOKとNG

お客さまからの要望やクレームに対して受け答えをする際、「I'm sorry.(申し訳ございません)」や「Please.(お願いします)」など曖昧な謝罪の表現で終わらせるのではなく、代替案を用意する、対処法を提案するなど、前向きな対応が好まれます。

たとえば、「Can I get a refund?(払い戻しをお願いできますか?)」と聞かれたとき、「I'm sorry, you can't.(申し訳ございません。払い戻しはいたしかねます)」よりも、「I'm sorry, but you can exchange it for a similar product.(申し訳ございません、その代わり、似た商品との交換は可能でございます)」の方が好ましいでしょう。

【誤】Yesをあいづちとして使う

日本語ではよく、あいづちとして「はい」を連発しますが、英語では異なります。日本語と同じように「Yes」を連発すると、相手に耳障りな印象を与えたり、急かしている感じを与えてしまうすともあります。意識的にあいづちを減らし、タイミングよく入れましょう。

「Yes」に代わり、あいづちによく使われる表現は以下のようなものです。「(うなづき、)Uh-huh.(えぇ、えぇ)」「Right.(そうですね)」、「Okay.(なるほど)」

【正】英語は「習うより慣れろ」

著書『これだけ!接客英会話 丸覚えフレーズBOOK』(ナツメ社)ではニュアンスなどをネイティブレベルで説明しましたが、実際はそこまで神経質にならなくても大丈夫です。「習うより慣れろ」ということわざの通り、練習や経験を重ねたほうが、よく覚えられます …

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