楽天(東京・世田谷)と西友(東京・北)は2018年10月25日、「楽天西友ネットスーパー」をグランドオープン。約2カ月が経過した12月のはじめに、その後の経過について西友に取材をした。
ECの知見×実店舗運営 機能強化と実店舗連携も
オープン後、約2カ月が経過した「楽天西友ネットスーパー」だが、西友の担当者は「グランドオープン後、売り上げは好調に推移している」と話す。セブン&アイ・ホールディングスやイオン、最近では米アマゾンなど、さまざまな企業が参入してきたネットスーパー業界だが、依然として絶対的なエースは不在。楽天と西友の両社は、どのような武器を携え、業界でのリードを狙うのか。
軸となるのは、楽天が持つ1億件超の会員基盤「楽天ID」やEコマースの知見と、西友が実店舗でつちかってきたスーパーマーケット運営のノウハウ。なかでも①品揃えの拡充、②配送能力の強化、③「楽天ID」との連携の3点に力を入れる。
品揃えについて、西友は18年12月時点で「最大2万SKU」と回答。同年10月の記者発表時には楽天の小森紀昭執行役員が、「『楽天市場』の人気商品を『楽天西友ネットスーパー』でも購入できるようにしたい」と述べた。利用者と共同で、新たに商品を開発する計画もある。西友の実店舗でも、楽天が開発した調理用食材セット「ミールキット」などを展開している。西友は、「『ミールキット』は好調で、取り扱う種類を増やすことを検討している」と話す。
また18年11月1日~14日の間、「楽天市場」で取り扱う商品を店頭で販売するイベント「楽天市場フードセクション」を全国115カ所の店舗で開催した。「楽天市場」上ですでに支持されている商品であるため、来店者の食指も伸びたようだ。特にデザートや菓子類、博多もつ鍋セットが人気だったという …