私たちの体は過去に食べたものでできています。同様に、考え方は、いままで読み、聞き、学んだことからできているのでしょう。読書は、その人の考え方の骨格に影響を与えていることが多々あります。ゆえに「あの人はどんな本を読んでいるのだろう」と気になるのでしょう。本誌では各界で活躍する方々におすすめの本を紹介してもらいました。読んだことがあるものも、ないものも。年末年始に開いてみてはいかがでしょうか。
ブランディングの科学

バイロン・シャープ 著、前平謙二 訳、加藤巧 監修/朝日新聞出版
2400円+税
英国でベストセラーとなった、コトラーなどの「主流派」マーケティング理論に異論を唱える一冊。著者は世界の名だたる企業の研究機関が利用するアレンバーグ・バス研究所にも所属している。
2018年に読んだマーケティング本で最も影響を受けました。ニュースサイト「AdverTimes.」のコラムでも言及しましたが、理論書ではなく経験的なデータをもとにマーケティングの原則を明確にするという意図が現れた本書は、ポジショニングやブランドロイヤルティ、差別化など、従来の広告では当たり前とされてきたことを批判します。
著者が用いるのは、森岡毅氏の『確率思考の戦略論(KADOKAWA/角川書店)』で用いられた、消費の分布を数学的に示したモデルや負の二項分布と同様のモデル …
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