農産物の多くは量販店で販売され、消費者は生産者を考慮せずに購入する。おいしさや有機栽培を強みとしている農家は差別化が難しい環境だ。こうした課題に対し、オンラインで農家から直接農産物を購入できるサービスを利用して自身の強みを発信し、販路拡大につなげようとしている生産者がいる。


収穫期以外も安定した収益
「Rakuten Ragri(Ragri)」は楽天が昨年4月に始めた農作物の地域支援型農業サービスで、インターネットを通じて農家に農作物の契約栽培を依頼できるほか、オーガニック野菜やカットサラダの定期宅配サービスを提供している。
「Ragri」のWebサイトには農家のプロフィールや意を尽くした農法などの情報が載っており、消費者はそれをもとに契約したい農家と作物を選ぶ。契約栽培サービスの場合、育成が終わって作物が収穫されれば、自宅に作物が届く仕組みだ。
農家は農協や産地仲卸に出荷する場合、収穫期にしか収入がない。不作だった場合は収入が大幅に落ちる。一方、「Ragri」の契約栽培は月額課金制のため、定期的に収入を得られるメリットがある …
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