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一人ひとりの感性をデジタル化し理解する

情報処理のデジタル化の範囲

2010年代に入り、ディープラーニング技術は画像認識技術としてブレークスルーを起こした(写真=123RF)

これまでの連載で、アパレルの需要予測やマーケティングにおけるAI技術の活用事例を紹介し、その背景にある技術が「ディープラーニング」であることを説明した。今回は、このディープラーニング技術について、もう少し掘り下げて解説する。

第2回でも少し触れたが、ディープラーニングとは、何層にもわたる深層のニューラルネットワーク(人間を含む生物の脳における、神経細胞のネットワークによる情報処理過程を模した数理モデル)を用いて機械学習を行う技術である。ディープラーニング技術は、その原型をたどれば1960年代から研究が行われていたが、2010年代に入り、ディープラーニング技術は画像認識技術としてブレークスルーを起こした。これは、いわば人間の視覚をデジタルな情報処理技術を用いて再現したものであると言える。

視覚という情報処理過程では、眼に取り込まれた光を電気信号に変換し、脳の視覚野に伝達する。視覚野には、画像の濃淡の特徴を検出する機能を持つ単純型細胞と、物体の位置が変動しても同一の物体とみなす機能を持つ複雑型細胞があり、これらが反応することで視覚情報処理(画像の認識)が行われる。

画像認識のためのディープラーニング技術では、単純型細胞に相当する機能を持つ「畳み込み層」と、複雑型細胞に相当する「プーリング層」が何層にも組み込まれた、「畳み込みニューラルネットワーク」というモデルを用いて機械学習を行う …

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