ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。
ユーザーと業者の情報格差 取引の透明度を高め、解消へ
ベンチャー企業のカープライスが運営する「中古車ライブオークション」が、クルマを売りたい人からの支持を集めている。
「中古車ライブオークション」は、ネットを活用したオークションサービスで、売りたいクルマを出品すると、全国約1000社の中古車買い取り業者が入札、最も高い価格を付けた業者が落札する仕組みだ。出品者は、業者の入札状況をスマートフォンでリアルタイムに確認できる。
「中古車の取り引きでは、買い取り業者はクルマを売るユーザーに比べ、圧倒的に多くの情報を持っています。こうした情報の非対称性のため、ときにはユーザーが不利益を被ったり、本来の価値で取り引きできたのか、不信感を持ったりすることもあったと思います。当社のライブオークションは、できるだけ情報の非対称性を解消しようとスタートしました。出品者は業者の入札状況をリアルタイムに確認でき、自分が売ろうとしているクルマがどれくらいの価値を持つのかがわかりますから、取り引きにあたって納得感が高いのが特色です。また、中間業者を排除する仕組みのため、ユーザーがより高い買取価格を手にする可能性が高いのです」(カープライスの松井亮輔・取締役)
オークションは基本的に水曜と木曜、土曜を除いて毎日行われ、多い日は50台ほどのオークションが行われることもある。
1台あたりのオークション時間は5分間。取り引きが成立すると、ユーザーは1万円(税別)の手数料をカープライスに支払う。サービスをスタートした当初は、オークション時間を30分に設定していた。「しかし、もともと中古車業界の業者間におけるオークション時間は短いのです。当サービスに参加する業者の意向などもあって、段階的に短くし、現在の5分間に至りました」(松井氏)
一方、出品者にとっては、自分のクルマがどれくらいの価格で売れるのか、入札の様子をリアルタイムに確認することも楽しみのひとつだ。
「ある種のエンターテインメント性を担保する意味でも、この5分間は必要な時間だと考えています …