販売・接客の現場で活躍する、35歳以下のキーパーソンたちに迫る本企画。これからの時代を担う彼ら・彼女らは、いまどんな思いを抱いて仕事に向き合っているのか。今回は「DoCLASSE ミーツ国分寺店」の店長、木村美子さん(26歳)だ。
どこで働くかよりもどんなふうに働きたいか
「DoCLASSE(ドゥクラッセ)ミーツ国分寺店」は、三越伊勢丹ホールディングスがことし4月に開業した、新たな商業施設「ミーツ国分寺」にある店舗だ。
同施設は、JRと西武鉄道が乗り入れる国分寺駅に直結。両社合わせて、1日平均23万2000人が乗り降りする(2017年)。駅利用者の多さに対して、大きな商業施設が少なかった国分寺エリアに、満を持してオープンした。
自社はもちろん、出店先など多方面から期待がかかる店舗だが、その店長を務めるのが木村美子さん(26)。ドゥクラッセには2017年4月に入社、同社の新卒採用の1期生でもある。初の新卒社員で、新規開業した商業施設に入居する店舗の、初の店長と初めてづくしだ。
ドゥクラッセのどんな点が魅力的に映ったのか。志望した理由を尋ねると、木村さんは「たまたま就活生向けの情報サイトに載っていた、"前向きで、やんちゃな人を迎えたい"という言葉に、ずきゅんとやられたんです」と話す。
学生時代からアパレル好きで、ほかのブランドでのアルバイト経験もある木村さんだが、その分、業界の厳しさにも、早くから気づいていた。
「その時点で一度、『あきらめようかな……』と思っていました」
もっと安定している職業もあるのではないか、ほかにも興味を持てるものがあるのではないか─逡巡を経て、それでもとアパレル業界での就職活動に挑む。が、撃沈。
しかし、これが転機となった。
「そのとき初めて、どこに就職するかでなく、どんなふうに働きたいかを考えたんです。それで、"前向きで、やんちゃな人を迎えたい"というフレーズが目に飛び込んだのかも」
その後、採用説明会で自分に合っていることを確信。面接では、「自分のブランドを持ちたい」という夢を語った。
「……まあ、だいたいそういう反応が多いと言いますか、よくあるよ、とか、はいはいそうだよねって聞き流されるのがふつうなんですが、ドゥクラッセでは、『すてき』『応援するよ』『必要な力は全部身につくと思う』と言ってもらえて。それもすごいなと思いました」
それにしても、面接で、退職をうかがわせる人材の採用に抵抗はなかったのだろうか。ドゥクラッセ社長室広報の工藤芽生氏に確認すると、「当社としても、挑戦者を求めたいと考えていたため、問題ありません。むしろ、それくらい意思のある人を求めたいですし、優秀な人材を得られると思います」との答えだった。
「『DoCLASSE』は40歳代以上を主なターゲットとしたブランドなのですが、『若いのになぜ?』とも、よく聞かれます。ですが当ブランドには、日本の女性を元気にしたい、という理念があり、私もそうしたい。だからこそ仮にプライベートで着る服と違っても、『DoCLASSE』に対して愛を持てるし、自信を感じられるんです …」