サントリースピリッツが2月27日に発売した「こだわり酒場のレモンサワーの素」が予想以上の売れ行きを見せている。当初の出荷数量計画は3万ケースだったが、4月に10万ケース、9月に30万ケースと、二度の上方修正を行った。想定外のヒットとなったその要因は?開発担当者の杉山誠二課長に聞いた。
──現在の出荷数量計画を当初の3倍にまで上方修正しました。そもそも、当初の計画はひかえめと言えるものだったのでしょうか
当初の計画は、これまでの新商品よりも強気の計画だったと考えています。「こだわり酒場のレモンサワーの素」は、「瓶リキュール」というカテゴリーに属しますが、当該カテゴリーの新商品は、初年度では年間2万ケース出荷できれば「売れた」と言えます。自信のある商品だったので、1万ケース上乗せした3万ケースで計画を立てました。
──強気の予想をさらに超えた売れ行きとなったわけですね。上方修正を二度も行うことになった理由は何でしょうか。
2月27日の発売から、売れ行きが予想を上回るペースで進み、勢いをそのまま維持していたことが、計画の修正を重ねた理由となります。発売当初から驚異的な売れ方で、発売から1カ月で計画の3万ケースを突破。そのため急きょ、4月10日に計画を10万ケースに修正しました。ところが、勢いはさらに増し、発売からわずか2カ月で出荷数が10万ケースを超えました。
通常、新商品は一定期間が過ぎれば売れ行きはにぶるものですが、「こだわり酒場のレモンサワーの素」はリピート率が高く、販売ペースは高止まりしていました。あれよあれよと出荷数は伸びていき、8月には出荷数が20万ケースを超えました。
これまでの売れ方を考慮し、9月3日に、計画を30万ケースに再度修正しました。これが最後の修正になると思います。
──リピート率が高い理由は何にあると考えられますか。
手軽に、飲食店で飲む本格的なレモンサワーが飲める点が支持されていると考えています。
この商品のポイントは、お酒にレモンをまるごとつけ込んで製造していることです。果汁だけでなく、皮の部分からも複雑なうま味や酸味が抽出されるため、レモンの味や風味をしっかり感じられる商品に仕上がりました。
甘すぎず、酸味がしっかり効いてさっぱりしているので、食事にも合います。夕食時に飲んでいただいても、おかずやごはんと一緒においしく楽しめると思います。
ソーダで割るタイプの商品なので、自分好みの濃さで楽しめる点も、リピーターが多い理由のひとつでしょう。レモンの味が強いため、ソーダを多めに注いで薄めに作ってもおいしい …