宣伝会議は8月28日、29日の両日、ことしで10回めとなる「宣伝会議プロモーションフォーラム」を開催した。テーマは「テクノロジーとクリエイティビティで販促を再定義する」。全42講演の中から、 6講演をピックアップしてお届け。
高齢化に伴い、健康意識の高い消費者が増えている。これを追い風に、ヘルスケア市場には大きな成長が見込まれる。一方で「ヘルスケア関連のプロモーションは容易ではない」と指摘するのは、エムスリーの津田宗利氏だ。エムスリーは、医療従事者向けのWebサイトを運営する企業で、津田氏はマーケティングプロデューサーを務める。
津田氏が挙げる課題のひとつは、広告表現上の差別化だ。法律上、健康に寄与する科学的根拠のある商品であっても、広告に記載できる内容は限られている。仮に競合と比べ自社商品のほうが機能面で優れていても、消費者にはその特徴が伝わりきらないケースも多い。
そこでエムスリーが提供するのが「AskDoctors評価サービス」。医師がその商品を勧められるかどうかを判断するサービスで、100人〜1000人の医師のうち75%以上に「勧めたい」と評価されると、認定マークを付与する。商品を提供する企業は、商品の含有成分や機能の科学的根拠を提示する必要がある。
津田氏は「医師の持つ信頼性をプロモーションに活用できる。一人の医師ではなく集合知であること、メーカーの自社調査ではなく第三者機関が評価することも信頼感につながっている」と自信を見せた。
同サービスを利用した企業を対象としたアンケートでは、87%の企業が「サービスを利用して売り上げが伸びた」と回答。流通・小売業向けに、価格訴求にとどまらない営業トークができるとして、他社製品との差別化につながっているという。
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エムスリー
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