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働く女性の姿 「ナニー」活用で時間をやりくり

小西純子

英国と日本には共通点がある。島国で、人口密度が高い。かたや武士道、かたや騎士道。象徴君主を置き、お茶が好き。全く異なる点もあるが、英国のいまは、ヒントになるだろう。現地からのレポートをお送りする。

英国の女性就業率増加には、年金制度の改正を受け、60歳~65歳の間で退職する人が減少した背景もある

英国の女性というと、どんなイメージがあるだろうか。

まずは92歳のいまも、年間300件近い公務をこなすエリザベス女王、そしてテロやEU離脱などの課題を抱える英国を率いる、テリーザ・メイ首相といった強い女性の姿が浮かぶことだろう。しかし、高齢化社会と晩婚・晩産化が進む中、民間でも多くの女性が働き、経済を支えている。

かつて、少なくとも1960年代から80年代にかけては仕事を持つ女性の数は限定的で、手工業やサービス業など、職種も限られていた。それが90年代に入り、変化を見せ始めた。フィクションではあるが、ここにもう一人の働く女性の例を挙げたい。

「あなたは性差別主義者で、女嫌いな、過去の遺物よ」─映画『007』シリーズの一作『ゴールデンアイ』(1995年)で、主人公で部下のジェームズ・ボンドに、英国の秘密情報部(MI6)の女性長官Mはこう言い放った。

同作で初めてM役に抜擢された女優ジュディ・デンチは、『スカイフォール』(2012年)で凶弾に倒れるまで、部下を信頼し、時に思いやりを見せる上司を演じる。

デンチの起用は、現実の英情報局保安部で、ステラ・リミントン氏が女性で初めて部長に就任したことがきっかけだった。制作陣は、それまでの『007』シリーズで画面に花を添えるのみだった女性を重要ポストに就け、映画のイメージを一新しようと考えたのだ。

1962年に第1作が公開された『007』シリーズが回を重ね、時代が下るにつれ、英国での女性の地位も、少しずつ変化してきた。第1作公開から7、8年後の1970年代初頭の英国では、仕事をする女性は全体の5割程度だったが、現在では7割を超える。また、英国の時価総額トップ100企業では2017年、役員のうち3割近くが女性となった …

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