ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

ソフマップ 代表取締役社長 代表執行役員
渡辺武志(わたなべ・たけし)氏
2001年3月近畿大学卒業。同年4月ビックカメラ入社。新宿東口店店長、AS事業部長などを経て、2017年1月より現職。
事業刷新を推進中 秋葉原に5店舗展開
デジタル製品を販売するソフマップが、新規顧客層の開拓や新たなブランドイメージの構築で成果を収めつつある。
ここ1年ほど事業の刷新に取り組んでいる同社は現在、東京・秋葉原に5店舗を展開する。従来からの、新品や中古パソコンといったデジタル製品の小売り事業のほか、ことし4月には新たに「eスポーツ」専用の施設「eSports Studio AKIBA」を「ソフマップAKIBA②号店パソコン総合館」の2階にオープンした。
「eスポーツ」はビデオゲームで競い合うスポーツ。アジア版オリンピックとも称される「アジア競技大会」がメダル種目として認定したことも話題となった。
「eSports Studio AKIBA」は、eスポーツイベントの開催や観戦、実況配信などを目的としたスタジオだ。eスポーツに最適なハイスペックパソコンや、実況向けの動画配信機材などを備えた。
同スタジオではオープン以来、週末を中心にイベントを開催。プロチームやゲームコミュニティ、ゲームファン、学生らが参加している。
ソフマップの渡辺武志社長は、「eSports Studio AKIBAをオープンした背景には、昨年からゲーム用の高性能パソコンの売れ行きが伸び始めたこと、さらに年末から、社会的にもeスポーツが盛り上がりを見せてきたことがあります。日本のeスポーツは、海外に比べると3年ほど遅れているとも言われています。『eSports Studio AKIBA』を運営することで、eスポーツの発展に貢献していきたい」と話す。
イベントで使用している機材や出場チームのグッズなどは、Eコマース(EC)サイト「ソフマップ・ドットコム」でも購入できる。
「eスポーツ分野に本格参入するにあたって、小売業としてどのようにeスポーツと関わっていくか、検討を重ねました。ソフマップでは、スポンサーなどの方法で特定のチームや選手を応援するのではなく、チームや選手とのタイアップ商品や関連商品などのeスポーツ商品をしっかりと販売し、eスポーツを盛り上げていこうと考えています」(渡辺社長) …