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トップの現場力

社員を信頼し、全ての責任をとる それが現場力を生む原動力

関家具

福岡県大川市は家具の一大産地である。家具の企画・製造・卸を手がける関家具は、同市を拠点に8月現在で全国36店舗を展開するほか、全国の小売店約3000店舗に家具を卸している。海外約20社との取引もある。50年間赤字なしの経営を続ける関文彦社長に、他業界からも注目を集める経営哲学について話を聞いた。

関家具
代表取締役社長
関 文彦(せき・ふみひこ)氏

1942年生まれ。68年に福岡大学商学部第二部卒業後、福岡県大川市で家具卸業として創業。全国約3000店舗の家具・インテリアショップ、通販会社などに家具を卸すほか、飲食店やホテルのトータルプロデュースを手掛けるスペースデザイン事業、全国35店舗の直営店を運営している。創業50周年を迎えたことしまで、創業以来50年間赤字なしの経営を継続中。

―福岡だけでなく全国各地に店舗がありますが、各店舗においての《現場力》について、どのようにお考えですか?

まずは、現場の社員一人ひとりに、使命感やビジョンをしっかりと持ってもらうことです。それが、《現場力》を生む一番の土台になると考えています。これが理解できていなければ、いくら「現場に力を発揮してほしい」と考えたとしても、自主的な行動は生まれません。

あとは、何をおいてもパッションです。社員がひとりの人間として、いかに情熱にあふれ、志を高く掲げ、維持し続けられるか。こういったことが、《現場力》を考える上では、とても重要な要素になると思います。

《現場力》は、当社では《店舗力》とも言い換えられるように思います。《店舗力》を形作るのは、なんといってもマンパワー。社員の一人ひとりが何を考え、どれほどやる気に満ちあふれているかで、まったく異なる結果が生まれます。

家具店ですから、まず何よりも商品知識が必要だと思われるかもしれません。ですが、それ以前の基礎がしっかりしていないと、いくら商品知識に長けていてもしょうがないんですね。

押さえるべきポイントは2つです。まず、企業というものが何のために存在しているのか。そして、そこで働く社員は何のために仕事をしているのか。そこさえはっきりと理解しておけば、あとはそれぞれに工夫してもらえるものなんです。

当社は全国展開していますから、地域の違いによって店舗運営の仕方も変わってきて当然です。そして、現場のことは現場が一番よく知っているはずです。

私の経営理念のひとつに、「社員は社長の先生である」というものがあります。つまり、社長が本部からあれこれ指示を出したり、教えたりするのではなく、現場のことは現場が知恵を絞り、工夫することが何より大事という考え方です。

だからこそ私は、そうして生まれた現場の知見を吸い上げ、より会社を発展させることに注力できるというわけです。

美しい木目が特徴の、1点モノの高級テーブルブランド「アトリエ木馬」。写真は「横浜ギャラリー」。中国や韓国、シンガポール、ドバイにも販路を広げている。

―現場の社員に工夫を促すため、日ごろからどんなことを心がけていますか?

現場の人たちにいかにモチベーションを高く持ってもらうか。それがリーダーの一番のつとめだと思いますね。そもそもリーダーの条件とは何かといえば、現場の人たちに夢と希望を持ってもらえる人間なのかどうか、です。

経営をしていく上での「戦術論」は、いわば小さなテクニックに過ぎません。それよりも大きな道筋としての「戦略論」をリーダーがきちんと理解して、部下に示すこと。それが一番大事なことなのではないでしょうか …

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