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顧客維持型へシフト 次代のダイレクトマーケティング

「ビューティ as a サービス」の実現へ そのとき、個々の肌状態に合わせたスキンケアを提供

資生堂ジャパン

ネスレ日本の「ネスカフェアンバサダー」やトヨタ自動車の「e-palette構想」など、メーカーがプロダクトだけでなく、サービス領域へと進出しつつある。化粧品・スキンケアでは、資生堂の「Optune」がそれを主導していると言えそうだ。担当者に取材した。

「Optune(オプチューン)」は、利用者の肌の状態や、その日ごとの環境データに合わせ、最適な美容液を抽出する。組み合わせの数は1000パターンを超えるという。

資生堂ジャパン杉山社長肝いり 新たなビジネスモデルを目指す

資生堂ジャパンは7月10日、日ごとに変わる肌の調子や天候などのデータに基づいて、折々に応じた美容液と乳液を抽出するスキンケアシステム「Optune(オプチューン)」試用版の追加購入者への販売を始めた。

スマートフォン向けアプリで測定した肌の状態や、温度・湿度などの環境データをもとに、使用者ごと、使用タイミングごとに異なる美容液を抽出する機械を提供する。組み合わせの数は1000パターン以上になるという。

ことし3月の1回めの販売時、予定数の10倍に上る応募が寄せられたため、5月31日から6月末までに追加の購入者を受け付けていた。利用者の反応を見ながら、早期の本格展開を目指す。

「デジタル技術やIoT(ネットに接続した機器)の技術が進み、より高度な、美容の個人化(パーソナライズドビューティ)が進む。資生堂として、パーソナライズドビューティをけん引したい」と話すのは、「Optune」プロジェクトに携わる、資生堂ジャパンの川崎道文氏(デジタルフューチャーグループ、ブランドマネージャー)だ。

「Optune」は、プロジェクトオーナー(主幹)に資生堂ジャパンの杉山繁和社長が就いた、トップ肝いりの事業でもある。

「杉山から指示があったのは2017年1月のこと。当社ではこれまで、商品を価格帯とチャネルで分ける戦略を採ってきましたが、従来型のモデルにとらわれない、消費者志向の新たなビジネスモデルを考えてほしい、というものでした」(川崎氏)

資生堂はほかにも、利用者の心の状態を推測して見合った香りを調合、噴霧するアロマデフューザー「BliScent(ブリセント)」や、アマゾンのスマートスピーカーで気象情報に応じた美容面の注意点、気になる肌悩みをカバーする方法を伝える音声サービスを開発。デジタル技術を活用した一連でパーソナライゼーションを進めている。

資生堂が試験版を販売している「Optune(オプチューン)」。ことし3月の1回めの販売時には、予定数の10倍に上る応募が。5月31日から6月末には追加の購入者を受け付けた。利用者の反応を見ながら、早期の本格展開を目指す。

自分に最適な商品探し 楽しくも手間と感じる消費者

「Optune」の利用者層は主に30歳代~40歳代の女性。川崎氏らのチームが利用者の自宅に訪問すると、AIスピーカーやロボット掃除機があるという点も特徴的だ …

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