主要な観光地のみならず、地方の観光地にも外国人観光客が増加している。その一方で、多言語対応や人手不足などの課題も多い。千葉県の香取市佐原でも同様の課題を抱えていたことから、多言語対応にかかるコストの削減や宿泊施設などでの人手不足解消を目指し、IoTソリューションの導入に踏み切った。

発表会場の「HOSTEL Co-EDO」。IoT機器が、1名体制での運営を支える
IoTソリューション導入で外国人観光客の受け入れ強化
ニッポニアサワラ、アクアビットスパイラルズ、NTT東日本千葉事業部の3社は6月8日、千葉県香取市佐原にある観光客向け宿泊施設で、外国籍の訪日客対応と宿泊・観光業の人手不足対策のためにネット接続カメラなどの運用を始めたと発表した。
香取市佐原は、江戸時代の街並みが残り、「北総の小江戸」とも呼ばれる街だ。伝統行事「佐原の大祭」はユネスコ無形文化遺産に登録されている。
こうした佐原の観光活性化を主導するニッポニアサワラが宿泊施設などを立ち上げ、滞在型の観光拠点として、訪日客の誘致を進めている。しかし一方では、多言語対応にかかるコストや観光業に従事する人手不足といった課題も持ち上がっていた。
そこで、インターネットに接続したカメラのような、IoT(モノのインターネット)端末を整備し、多言語対応や人手不足の解消を狙う。同時にマーケティングデータの取得も目指す。
スマートフォンをかざして観光情報を取得できるように
導入したIoT端末は、NTT東日本が提供する「ギガらくWi-Fi」を基盤とした「ギガらくWi-Fiカメラオプション」「ギガらくサイネージ」と、アクアビットスパイラルズの「スマートプレート」など。
「ギガらくWi-Fiカメラオプション」は、受付に設置すると来訪者を自動検知する監視カメラだ。登録した端末から常に受付のようすを映せるほか、来訪者があれば、その胴体や音を感知して端末にアラートを表示する …