朝からフルコースを楽しみたいワタシ
その昔、六本木に深夜に開店するフレンチレストランがあった。真夜中にフレンチ──物珍しさも手伝い、同店はアフターで訪れたホステスと男性客や、深夜まで働くマスコミ関係者らによく利用されたが、ある日、同店には珍しいタイプの男女の客が訪れた。
その部屋は、狭いながらも暮らしやすい“究極の間取り”。都心の駅にも近く、モノよりコト重視の若者たちに大人気だ。
イラスト:高田真弓
最近、都内で若い人たちに狭い部屋の物件が人気だという。例えば、あるアパートの物件は、一戸あたりの床面積がわずか9平方メートル(6帖弱)。それでも都心の駅から徒歩5分程度にある立地の良さと、家賃が1ルームの相場の6〜7割と安いのがウケているという。
え?それじゃ部屋での暮らしを相当ガマンしているんだろうって?──いや、それがそうでもないのだ。床面積は6帖弱しかないものの、その間取りはキッチンを備え、トイレとシャワールームは別々。おまけに洗濯機を置くスペースもある。居住スペースは3帖ほどだが、同程度の広さのロフトを備え、天井高は3メートル60センチと開放感もある。窓が上下に2つあることで室内の採光もよいという …