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「体験」が実店舗を進化させる

機能を超えた価値を持つプロダクトデザイン

「体験」は自分自身の身をもって実際に行う意。であれば、店舗や施設といった空間だけでなく、五感で触れる商品にも「体験」はあるはずだ。ここでは、「暮らしになじむLOHACO展」から、理性でとらえる機能的価値はもちろん、感性面で心が踊るようなプロダクトデザインを紹介する。

「ジュエリーサプリ」。水なしで噛んで摂取する。10粒で1日分。



オルビス ジュエリーサプリ

まなざしを気にせず、食べられるサプリ

「ジュエリーサプリ」は、「恥ずかしいから、隠れて飲む」「薬のよう」「無機質」と思われがちのサプリメントを、購入者の心が踊る商品にできないか、と開発された商品。ネーミングのとおり、宝石のような見た目のサプリメントで、パッケージも化粧品のような印象だ。これなら人前で取り出したり、食べたりできるという人は多いだろう。

「これまで、サプリメントを購入しない層の顧客が獲得できています。『LINE』でのキャンペーンも好調で、ほぼ目標通りの販売実績を収めています」(オルビス)

消費者が納得する機能はもちろん、商品自体に好印象を持ってもらうことがより重要になりそうだ。

その名のとおり「宝石」のような見た目。錠剤などは薬品を思わせるためか、なかなか気が乗らない人も少なくないようだ。

パッケージも化粧品のよう。購入者のレビューでは、「見た目の可愛さ・オシャレさだでなく成分もあなどれない。『気分』や『雰囲気』を楽しめる『心』に効くサプリなのかも、と感じたりしています」とも。オルビスによると、これまでは見られなかったような感想だという。




湖池屋 コイケヤどうぶつえん

食べ物と一緒にとるコミュニケーション

「コイケヤどうぶつえん」は、女性の社会進出が増えた一方、子どもとのコミュニケーション不足を感じる女性の心情に着目した商品。箱を開封して組み立てるとライオンなどのパペット(片手づかい人形)に変身する。パペットは3種類。

「未就学児の親を中心に祖父母を含め、ご購入いただいているようです。販売量に対し通常の2倍近い書き込みがあり、この商品を通して、ファンになっていただけたのではないかと感じています」(湖池屋)。

従来、スナックの差異は「価格」や「味」「同じ形態のパッケージデザイン」にとどまっていたが、親子のコミュニケーションという価値で独自の地位を築こうとしている …

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