店舗を訪れる意義とスタッフのもうひとつの顔
欲しいモノが手に入り、欲しいと思えるモノに出合えるのは、もはや当然とされる世の中となった。ただ買うだけであれば、ネットでも可能だし、むしろ便利だ。実店舗では、これまで以上に、体験価値を強化する必要がある。
「体験」が実店舗を進化させる
「体験」は自分自身の身をもって実際に行う意。であれば、店舗や施設といった空間だけでなく、五感で触れる商品にも「体験」はあるはずだ。ここでは、「暮らしになじむLOHACO展」から、理性でとらえる機能的価値はもちろん、感性面で心が踊るようなプロダクトデザインを紹介する。
「ジュエリーサプリ」は、「恥ずかしいから、隠れて飲む」「薬のよう」「無機質」と思われがちのサプリメントを、購入者の心が踊る商品にできないか、と開発された商品。ネーミングのとおり、宝石のような見た目のサプリメントで、パッケージも化粧品のような印象だ。これなら人前で取り出したり、食べたりできるという人は多いだろう。
「これまで、サプリメントを購入しない層の顧客が獲得できています。『LINE』でのキャンペーンも好調で、ほぼ目標通りの販売実績を収めています」(オルビス)
消費者が納得する機能はもちろん、商品自体に好印象を持ってもらうことがより重要になりそうだ。
「コイケヤどうぶつえん」は、女性の社会進出が増えた一方、子どもとのコミュニケーション不足を感じる女性の心情に着目した商品。箱を開封して組み立てるとライオンなどのパペット(片手づかい人形)に変身する。パペットは3種類。
「未就学児の親を中心に祖父母を含め、ご購入いただいているようです。販売量に対し通常の2倍近い書き込みがあり、この商品を通して、ファンになっていただけたのではないかと感じています」(湖池屋)。
従来、スナックの差異は「価格」や「味」「同じ形態のパッケージデザイン」にとどまっていたが、親子のコミュニケーションという価値で独自の地位を築こうとしている …