ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。
バイク市場は最盛期の10分の1 高齢でバイクを降りるライダーも
ナップスは、首都圏を中心に東北から福岡まで展開するバイク用品の量販店だ。近年、売り上げを伸ばし続け、2017年1月期の売上高は約85億円となった。
同社は1962年に創業した。郊外に立地する大型店という出店戦略で店舗数を増やし、現在は国内外で24店舗を運営している。
「創業当初はバイクブームでしたが、その後、バイク市場は縮小してしまいました。保有台数や新車販売台数などをもとに計算すると、現在は最盛期と比べて10分の1程度の規模だと業界では言われています。理由は、少子高齢化とともに、現在のライダーのメイン層が60歳代となったことが大きい。バイクに乗らなくなった人も少なくないこと、またバイクは危険な乗り物というイメージが一般にあることもバイク離れの要因かもしれません」と、ナップス 代表取締役 望月真裕氏は話す。
しかし、ナップスは縮小を続けるこの業界において「コンセプト型店舗の推進」「Eコマース(EC)と実店舗をつなぐオムニチャネル」「他社とのアライアンス」を経営の軸に据え、成長を続けている。
メンテナンスに特化したコンセプト型店舗を展開
ナップスの店舗運営は、できるだけ店長に権限を与える方針で、店舗ごとに異なる品揃えとなっている。
「2017年は8店舗を新規オープンするなど、拡大路線を本格化させました。新店オープンのためには、店舗運営の核となる人材が必要です。そのため毎年続けて多数の新規開店はできませんが、今後も年に2、3店舗ずつ新店舗を増やしていきたいと考えています」(望月社長)
近年は「コンセプト型店舗」の展開にも力を入れ始めた。2017年、厚木にオープンしたメンテナンスショップ厚木店などがその一例だ。バイクのメンテナンスに特化し、タイヤやオイルなど消耗品の交換をはじめ、点検整備、車検などを専門的に行う …