数字だけが人間のすべてではない「インサイト」を正しく活用する
「インサイト」は、マーケティング、プロモーションで必ずと言っていいほど登場しますが、頻出するわりに意味のとりづらい概念でもあります。改めて「インサイト」について学び直し、「頭の中だけで考えられたお客さまの声」にまどわされて、右往左往することのないようにしたいものです。
小売の人材不足が深刻化している中、人材の維持・確保を継続的に行っていくために、企業としてどのような人事評価を設ければいいのか。また適切な測定基準とはどのようなものか。野村総合研究所の岸浩稔氏に「小売りの未来像」を描きつつ、そのヒントを探ってもらった。
野村総合研究所(NRI)は、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究により、10年~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、技術的に代替できるとの推計結果を得ました。
本研究報告をひとつの契機に、昨今では働き方改革の風潮も相まって、AI・ロボットを活用した働き方についての議論が熱を帯びています。こと小売業界では人手不足が深刻化し、自動化の取り組みが先んじて進んでいる領域です。本稿では、迫りくるAI時代における人材評価のあり方について、NRIの研究チームの議論と仮説を紹介します。
研究チームでは、AI・ロボット、外国人労働者、小売業界の各界から専門家を迎え、未来の小売業界の姿について議論を深めています。議論にはシナリオプランニングという不確実な未来を予測する手法を用い、未来の小売業界に大きな影響を及ぼしうる2つの独立した事象(ドライビングフォースと呼びます)を仮定し、それぞれが起きた、起きなかった場合の組み合わせについて4つのシナリオで未来を予測しています。
下の図1にドライビングフォース、その下の図2にその組み合わせによる未来予測の結果を示しました。