
喫茶ランドリーは明るく開放的で、フレキシブルに使えるのが利点。近隣の人たちのほどよい交流の場となっている。
イラスト:高田真弓
「個人主義」が世の中に浸透して久しい。思えば、昭和の時代、当たり前に存在した"ご近所づきあい"なる風習は、平成の世になると次第に薄れ、せいぜい道で会って挨拶を交わす程度に。都心のマンションでは、隣に誰が住んでいるのか分からないケースも今や当たり前である。
若い人たちが、何かと干渉し合う田舎暮らしよりも、そんなプライバシーが尊重される都会を選びたがる気持ちも分かる。地方の高校を卒業して、進学や就職のために東京や関西に出てくる彼らの中には、田舎暮らしの煩わしさから解放されたい動機も少なからずあろう。
だが、近年、そんな風潮に少しばかり変化も見られる。例えば、都心のタワーマンションでは、デベロッパーが音頭を取って、防災訓練の際に親睦イベントを併せて催したり、地域のお祭りへの参加をサポートしたりと、住民同士の交流や地域との関わりを深める動きが見られる …
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