企業の期待を背負って現場をリードする35歳以下の若手販促キーパーソンを紹介する当連載。第9回に登場するのは、「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング ルミネ新宿店」で販売員を務める川村咲さん(28歳)。川村さんが勤務している商業施設が昨秋に開催した接客ロールプレイングコンテストで見事優勝を果たした。お客さまを第一に考えて磨き上げた接客スタイルとは。
接客コンテストで3万5000人の頂点に
ユナイテッドアローズ社は国内に248店舗(2017年9月現在)を構え、「ユナイテッドアローズ」「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」など20近くのストアブランドを展開。オリジナル企画や、国内外から仕入れた衣服や雑貨を販売している。
入社5年めの川村咲さんは、「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング ルミネ新宿店」で販売員として売り場に立っている。接客をしたいと考えていたことや、好きな洋服を着ると気分が高まることなどに魅力を感じてファッションの販売職を志した。ユナイテッドアローズに入社を決めたのは、企業の社是である「店はお客様のためにある」という言葉に共感したからだ。
そんな川村さんの名前が、全国の系列施設に勤務するショップスタッフ約3万5000人の知るところとなったのは、昨年10月に全施設のショップスタッフが接客の技術を競う接客ロールプレイングコンテストがきっかけだ。
このコンテストは毎年1回開催されており、店大会を勝ち進んだスタッフ40人が決勝大会に出場。決勝大会では、優秀なスタッフにといった称号が与えられる。川村さんは、そのなかでもすべての出場者の頂点となるゴールド優勝を飾った。
川村さんは入社1年めから商業施設主催の接客コンテストに出場しており、「コンテストへの参加が自分の接客を見つめる、良い機会になっている」と話す。
「私は初めて接客コンテストに参加するまで、接客にはこれといった形がなく、個人の持ち味のようなふわっとしたものだととらえていたんです。お客さまがお店を訪れてから購入して帰られるまでの間に、『購買心理の8段階』という心理的なステップがあることを知っていたものの、接客コンテストの参加やその後の店頭での接客を通じて、販売員はある部分では合理的に、かつ心理的にアプローチしていかなければならないことに改めて気づいたんです」
異動をきっかけに接客スタイルを確立
川村さんの接客スタイルにはムダがない。商品に興味を示した来店客がいれば、まずその人がどういった好みを持つ人なのか、その日はなぜ買い物に来たのかといった予測を立てる。そしてその予測をもとに話しかけることで、スムーズに会話に入っていけるのだという …