ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。
「価格.com」で販売 最安価格1位での掲載を目指す
家電、デジカメ、カーナビなどをEコマース(EC)で販売するディーライズ。2017年2月期の売り上げは、前年比22.4%増の114億7500万円を達成した。
同社は2008年に設立。当初は主にカー用品を販売していたが、徐々に家電製品の取り扱いを増やし、現在は売り上げの約9割を家電製品が占めている。家電の中では、薄型テレビなどが売れ筋商品だ。
システム開発部マネージャー兼販売企画部の宮川裕之マネージャーは、「当社の社員数は21人ですが、同業の中でも、20人規模で100億円以上を売り上げている企業は、なかなかないと思います」と話す。
ディーライズは、価格比較サイト「価格.com」経由での販売に力を入れ成長してきた。価格.comのユーザーは、とくに価格を比較して購入を検討することが多いため、同じ製品であれば安い製品を購入する可能性が高い。そのため、ディーライズは常に最安値での販売を目指している。
そのために活用しているのが、独自開発した販売管理システムだ。ディーライズの扱う商品は、メーカーやブランドの品番・商品名が付いた型番商品のため、基本的に他社も同じ商品を販売している。「価格.com」において、同じ商品を販売する他社がディーライズの価格よりも安い価格を付けると、販売管理システムが自動的にそれを下回る価格を付ける。あらかじめ設定した最低価格に下がるまでは、常に最安値での販売を目指しているという。
「当社は、いかにして最安値の商品を顧客に届けるかが重要だと考えています。かつては人力で価格を更新していましたが、いまはシステムを活用することで効率化が図れ、ひんぱんに更新して、販売の機会損失を回避できるようになりました。頻度が多いときは、1分間隔で新しい価格を更新することもあります」(宮川氏)
「価格.com」は、掲載した商品をユーザーがクリックしてディーライズのサイトへ誘導すると、購入してもしなくても、掲載業者が「価格.com」に手数料を支払う仕組みになっている。そのためディーライズの商品管理システムは、商品ごとにCPA(Cost Per Action、購入1件あたりにかかる手数料の総額)を自動算出し、それをもとに商品仕入れなどを行っている。
販売管理システムが行うのは、最安値の更新だけではなく、注文した顧客へのメール返信や商品伝票の作成などのルーティンワークなども幅広くカバーする。こうした作業の自動化によって、業務の効率化が進むとともに人件費が抑えられたこともあり、低価格での提供ができるのだという …