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「キャッシュレス社会」の実現へ 海外の最新事情と日本の現状

石川 温氏(ケータイ/スマホジャーナリスト)

「キャッシュレス社会」が海外の一部の国で定着しつつある現在、日本でも近い将来、その波が来ることが予想されている。とはいえ、現金主義が根強い日本の売り場は、「モバイル決済」にどのように向き合えばいいのか。ケータイ/スマホジャーナリストの石川温氏が解説する。

2017年12月に「Apple Pay Cash」のサービスを開始したアップル。iPhoneの決済サービスである「Apple Pay」上に口座を開設し、iPhoneユーザー間でお金をやりとりできる。

「キャッシュレス社会」がすでに定着しつつある中国

2017年、にわかに注目を集めたキーワードが「キャッシュレス」という言葉です。ふだんの生活において、現金を極力使わない世界が実現されつつあります。収入から支出まで、紙幣や硬貨などの物理的な現金を一切、見ない、触らずに生活を送れるようになってきています。すでに海外の一部の国では、キャッシュレス社会が定着しています。

例えば、中国を見てみましょう。中国では、「WeChat」と呼ばれるソーシャルメディアが人気です。WeChatは日本でいえば、LINEみたいな存在で、メッセージのやりとりや音声通話などが利用できます。ユーザー数は9億人とも言われ、中国のスマホユーザーであれば大半の人が利用している国民的アプリです。

ほとんどの人が使っているということもあり、生活におけるさまざまなサービスがWeChatと連携しています。電車や飛行機の予約やタクシーの呼び出し、映画のチケット購入など、WeChatアプリひとつでできてしまいます。

もちろん、そこには「支払い」が発生します。WeChatにはウォレット機能が備わっており、「WeChat Pay」だけで支払いもできてしまうのです。

ちなみに、中国のゲームアプリでは、友人とギャンブルが楽しめるようになっているのですが、そこではWeChatで使える電子マネーがやりとりされていました。中国・上海の友人は、1回のポーカーで数千円や時には1万円以上賭けていて、驚かされました。

さらに中国では、街中の支払いでもWeChat Payが利用できます。レジに二次元コードが張られており、ユーザーはWeChatのアプリで二次元コードを読み取り、金額を入力することで支払いが完了します。また、飲食店などでは、テーブルに二次元コードが貼られており、そこから食べたいものをWeChatでオーダーし、さらに決済まで行うこともできてしまいます。

中国で驚きなのが、露天商も店先に二次元コードを掲示しています。支払いを受け取る側も、WeChatアプリが使えるスマホを持っていればいいだけなので、露天商でも、導入が簡単なのです。

WeChat Payは二次元コードが表示できれば、どんなスマホでも利用できるのが大きな特長です。支払う側も、受け取る側もスマホとアプリさえあれば、金銭をやりとりできるというわけで、中国ではキャッシュレス社会が一気に定着したのです。

現金主義が根強い日本の「キャッシュレス」の現状

日本でもLINEが「LINE Pay」という決済サービスを提供しています。銀行口座やコンビニなどからLINE Payの口座にチャージする(預かり金を入れる)ことで、加盟店ではその口座から支払えるようになります。加盟店で、会計の際に、スマホの画面に表示した二次元コードを読み取ってもらうと、支払いが完了します。

ただ、日本では、二次元コードでの支払いに対応している店舗はまだまだ少ないのが現状です。そのため、LINE Payでは、JCBの加盟店で使えるカードを発行しました。スマホではなくプリペイドカードのような使い勝手で支払えるようにしています。

そんななか、会員組織と連動して、日本でも「バーコードで支払う」体験をできるところがあります。スターバックスでは、同社のアプリで会員になり、あらかじめチャージをしておくと、レジでスマホ画面のバーコードを提示して、支払うことができます。レジ係の店員さんは、バーコードリーダーで読み取ります。

「スマホの画面に表示したバーコードをレジで読み取って支払う」という仕組みはとてもよくできていると思います。ほとんどのスマホで画面にバーコードを表示できるため、ハイエンドのスマホだろうが、格安スマホだろうが、機種を問わないのが大きなメリットです。また、店舗側も、レジの備え付けのバーコードリーダーが利用できるので、余計な追加投資が不要です。

家電量販店のヨドバシカメラも、アプリでポイントカードのバーコードを表示できるようにしました。わざわざ、カードを提示することなく、アプリでバーコードを表示させ、レジのバーコードリーダーで読み取るようになっています。

今後、いろいろなところで、スマホの画面上のバーコードをレジで読み取れるようになるでしょう。

「おサイフケータイ」がなかなか普及しない背景

日本のモバイル決済は、世界的に見ても、かなり早い段階から導入されていました。NTTドコモとJR東日本、ソニーが先導役となり、携帯電話に決済機能を搭載した「おサイフケータイ」が2004年6月にスタートしています。

おサイフケータイさえあれば、電車に乗れて、コンビニで支払いができるなど、とても便利なのですが、ユーザー数で見れば、おサイフケータイに対応した機種を持っている人の2割程度しか、決済機能を利用していないと言われています(「日銀モバイル決済の現状と課題 2017年6月」より)。使い始めると便利なのですが、使わない人に話を聞いてみると「便利そうだけど、設定が面倒くさそう」「落とすと、勝手に使われそうで怖い」といった声が多いようです …

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