アパレル製造小売大手のH&M(へネス・アンド・マウリッツ)は10月12日、独自のポイントプログラム「H&M CLUB」を開始した。同社が配信するスマートフォンアプリを通じて会員となると、利用できる。貯めたポイントは、割り引きやイベントへの招待、スタイルアドバイザーの予約といった特典と交換できる仕組み。特典内容は随時更新する。膝下のスウェーデンやノルウェーで導入していたもの。
スマートフォンアプリを介して会員登録すると、アプリ内に個別のバーコードが登場する。購入時にレジカウンターで提示すると、購入額100円につき1ポイントを付与する。特典によっては、交換に必要なポイントが50ポイント~1500ポイントまで幅がある。ポイントの有効期限は2年間。
H&M日本法人のルーカス・セイファート社長は、サービス開始に先立つ10月11日、H&M渋谷店で会見し、「ロイヤルティの高い顧客ほど、優待されるべきだ」との考えを示した。従来もH&Mは購入者に対し、割り引きクーポンを配布するケースがあったが、「一律でディスカウントするのではなく、顧客が自身の好みに合わせて自由に特典を選べるべき。
パーソナライゼーションはすべての小売業にとって重要なキーワードになっているが、H&M CLUBはその第一段階といったところ。データを見ながら、特典を最適化したい」とセイファート社長は話す。
「当社はグローバル企業だが、『ローカル・レレバンシー』(地域との関連性)を重視している。根を下ろしたマーケットに関連深いブランドになることが重要だ。何人かは、グローバルで実施しているようなイベントに参加したいと考えるかもしれないし、また別の何人かは、ふだん使う店舗の割り引きなど、ローカルなコンテンツに興味を示すだろう。グローバルのコンテンツとローカルのそれを混ぜ合わせて提供することが大事」(セイファート社長)
「H&M CLUB」を通じて入手したデータについては、「もちろん活用したい。しかし、当社が、たとえば商品開発などに利用しているデータは、H&M CLUBに限らない。すべてのデータを見ている」とした。