パナソニックが提供するノートパソコン「レッツノート」は、ことし発売21年目を迎えるロングセラーブランドだ。ノートパソコンが数万円で購入できる現代において、「レッツノート」は20万円前後と高価格帯。それにもかかわらず、ビジネスパーソンを中心にファンを増やし、13インチ以下のモバイルパソコンで13年連続シェア1位を守り続けている。
「レッツノート」は、IT情報誌『日経コンピュータ』が2017年9月に発表した「顧客満足度調査2017ー2018」のノートPC部門で1位、また、パナソニックが独自で行った購入者満足度調査では94.7%のユーザーが「満足」「やや満足」と回答。顧客の心をつかんだ要因や最近のプロモーションについて、直販サイト「パナソニック ストア」で個人向けのプロモーションを担当するパナソニック コンシューマーマーケティングの寺島洋行氏に聞いた。
―「レッツノート」は発売から20年以上のロングセラーブランドですが、ヒットしている一番の要因は何でしょうか。
発売から20年間、一貫して「お客さまのお困りごとを解決するものづくり」をしてきました。開発や設計のスタッフがお客さまの声を集め、その声を次の製品に反映させるというサイクルを繰り返しています。その上で、現在に至るまで進化を続けてきたことが、お客さまから支持されている一番の要因ではないでしょうか。
「レッツノート」は、自社開発・自社生産を国内で行っており、さらに神戸工場にはお客さまの声を直接お聞きするコールセンターがあります。それにより、お客さまの声がすぐに届けられるようになっているのです。
個人のお客さまは店頭での購入に加えて、当社のオンライン直販サイト「パナソニック ストア」から購入する方も多いのですが、オンラインではお客さまとの接点が持ちにくい難点もあります。そこでことしは「パナソニック ストア」でのみ購入できる「カスタマイズレッツノート」の発売15周年を記念し、「パナソニック ストア」で購入したお客さまを対象にリアルイベントを行いました。
ことしに入ってすでに3回実施しましたが、どの回も参加人数はあえて少人数として、ユーザー一人ひとりの生の声にできるだけ触れられるようにしており、そこでお聞きした要望を持ち帰ってサービスに反映できるかどうかを検討しています。
また毎年、新製品発表のタイミングでは、東京や大阪の駅ナカでお客さまに新製品に触っていただくイベントを行っており、会場にはいつも当社の「レッツノート」に携わる社員が説明に立っています。目の前でお客さまに商品を触っていただいたり、日常で使う中での不満や、新製品に対する期待を伺い、お客さまの声を直接に取り入れようとしているんです。
―「レッツノート」はどんなコンセプトで開発した商品ですか。
コンセプトは「ビジネスモバイル」です。ビジネスパーソンがカバンに入れて持ち運び、いつでも、どこでも使えるパソコンを目指して開発をスタートしました。その方針は、発売から20年経ったいまでも変わっていません。持ち歩くことを前提にしているので、軽量で、長いバッテリー駆動時間、頑丈さをベースに研究を続けています ...