野球の球場ではさまざまなイベントが開催されている。グッズも、外部企業とコラボレーションしたものが少なくない。スポーツプロモーションにおいて、コラボはどんな位置づけなのか。パシフィックリーグマーケティングのマーケティング室でプロモーションを手がける辻彰徳氏と、ライセンス管理やグッズ開発に携わる事業開発部の上田元氏に話を聞いた。

勝利することが何よりの集客策だが、重要なのは、勝てなくても、仮に注目試合でなかったとしても、人を集めること。誰もが来られる「ボールパーク構想」が重要だ
(写真提供=123RF)
パ・リーグ6球団でまとまってコラボ
「コラボレーションイベントは、いかに露出を増やしてチケットを購入いただくか、それが目的。広く知らしめる露出効果だけではなく、球場へ足を運んでいただくことが不可欠」と話すのは、パシフィックリーグマーケティングの辻氏だ。
辻氏が担当する「パ・リーグ親子ヒーロープロジェクト」は、その代表例のひとつ。2014年に始まり、ことしで4回目を迎えた。これまでコラボレーションしてきたのは、ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊ヒーローもの、少年マンガ雑誌の『コロコロコミック』。
少年向けのコンテンツが目立つが、「それは、リーグ共通のターゲットだから。子どもたちが野球と接する機会を増やすことは、野球界全体の課題です。かつてと異なり、そうした機会は減っているのです」と辻氏は話す。
パ・リーグ6球団でまとまってコラボレーションすることで規模の効果も高まる。ことしの『コロコロコミック』とのコラボも、本誌に3月発売号から9月発売号まで、カラーで取材ページが掲載されることになった。ことし創刊40周年を迎えた『コロコロコミック』の発行部数は現在80万部ほどで、読者の4分の1近くが小学生男児という。
さらに球場でのイベントとして、ベーゴマ型玩具の大会も開いた。これは、辻氏が事前に、玩具をテーマにしたイベントを訪れたことがきっかけ。
「数万人規模で人が集まっているのを目の当たりにしました。球場でも開催すれば、強い求心力となると考えました」(辻氏)。
実際、「親子ヒーロープロジェクト」は、多くの子供連れが参加したイベントとなった ...