ロッテが販売する「ビックリマン」は近年、アイドルやスポーツ選手、アニメやゲームなど、さまざまな人やコンテンツとコラボ企画を実施している。同社でブランド戦略を担当する本原正明氏に、次々とコラボ企画を打ち立てるねらいや手法を聞いた。

尖った企画を目指し、コラボ先とは直接交渉
ロッテの「ビックリマン」は1977年発売、ことし40周年を迎えた。二頭身のキャラクターを描いたカラフルなパッケージに、ウエハースチョコとキャラクターシールを同封したロングセラー商品だ。発売後、キャラクターシールを集める小・中学生を中心に人気を博し、1988年には社会現象となるほどの一大ブームを巻き起こした。
近年では、アニメ「ワンピース」やアイドルグループ「AKB48グループ」、映画「スター・ウォーズ」、ゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」など、数々の著名なコンテンツとのコラボレーション企画を実現している。
コラボの実現について、「ビックリマン」のブランド戦略を手がけるチョコ・ビス企画室の本原正明氏は、「通常のコラボ企画は広告会社などに仲介してもらうことが多いかと思いますが、『ビックリマン』の場合は、あえて私が直接、交渉するようにしています」と語る。
「『ビックリマン』のコンセプトは、人をビックリさせること。尖鋭的な企画を目指したいので、私たちはここまでやりたいんだという思いを直に相手に伝え、ふつうならば許されないような企画のために壁を崩していく。間に誰かが入ってしまうと、ありきたりな企画になってしまうんです」
ただ、初めは「コラボしたい」と申し出ても、「誰も聞き入れてくれなかった」という。ここまでさまざまなコンテンツとコラボできているのは、一つずつ実績を積み重ねてきたことが大きい。「私自身がさまざまな場所に顔を出すようにしていて、その縁で実現することがほとんどです。飛び込みよりも人に紹介してもらうほうが確度は上がる。紹介するだけの信用に値するという前提ができているので、断られることはほぼなくなりましたね」
AKB48グループとのコラボは、昨年6月の「AKB48 45thシングル選抜総選挙」の結果をもとに選出した80人のシールをランダムで封入した「AKBックリマンチョコ」2品発売と、ことし6月に行われた「AKB48 49thシングル選抜総選挙」で1位~3位を獲得したメンバーの限定ホログラムシールが当たる「『AKBックリマン』限定ホログラムシールプレゼントキャンペーン」の2つの企画を実施した。
直接交渉して実現したことにより、グループの主要メンバーがソーシャルメディアで告知してくれるといったプロモーション活動も多く実施できたという。また、AKBとのコラボの結果、ほかの音楽・芸能関係者からも「組めないか」と話が舞い込んできている。
「影響力があるAKB48グループとコラボできれば、次のチャンスが来ることもあるだろうと、あらかじめ予測していました。コラボする上では、押さえるべきところを押さえてチャンスを舞い込ませることも、コラボの選択肢を広げるときに意識しています」 ...