昔、ある経済学者がこんなことを言った。「どの国も神様から一度だけボーナスをもらえます。それが、いわゆる高度経済成長期です」。
そう、高度経済成長期。その国の経済成長率が年10%を超え、国民所得が右肩上がりに増える時代である。日本も1950年代半ばから73年のオイルショックまでがそうだった。イメージとしては、映画『ALWAYS三丁目の夕日』の時代と思えばいい。毎日が新しい発見に満ち、未来に夢があった日々──。
実は、商品にも「高度経済成長期」があるのをご存知だろうか。例えばクルマなら、大衆車という概念が登場し、トヨタ・カローラと日産・サニーがライバルとなった1960年代半ばから、トヨタ・セルシオや日産・シーマら国際規格の高級車が登場したバブル時代末期の89年までがそう。
この間、日本車は4年周期でモデルチェンジを繰り返し、日本人もそれに合わせて4年ごとに新車に乗り換えた ...
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