味の素のペースト状中華万能調味料「Cook Do 香味ペースト」が、ネット動画を活用したプロモーションで、販売を伸ばしている。同プロモーションに参画する小売業は全体でおよそ40社。こうした枠組みを考案した電通の渡部さおり氏に、企画の背景を尋ねた。

味の素のペースト状中華万能調味料「Cook Do 香味ペースト」が展開している動画の一例
Wクライアント広告による流通キャンペーンスキーム
味の素のペースト状中華万能調味料「Cook Do 香味ペースト」が、動画共有サイトやソーシャルメディアを活用したレシピ動画で、スーパーやドラッグストアでの販売数を大きく伸ばしている。参画したスーパーA社では、「香味ペースト」の全店鋪での売上高が前年同期比で2.25倍となった。
カギのひとつは、味の素の製品だけを打ち出すのではなく、参画スーパーなどのプライベート・ブランド(自主企画商品、PB)や売り出したい生鮮品を登場させ、販売側の当事者意識を引き出したことだ。
以前から「香味ペースト」を用いた簡単な料理を「秒速メシ」と名づけ、消費者へ訴求してきたが、PB商品などを素材にしたメニューをチェーンごとに用意した。結果、参画企業のB社では、特設販売スペースで1カ月以上にわたって商品露出するなど、販売促進の大きな後押しを得た。
動画は、「YouTube」や「Facebook」で配信。味の素がターゲットとする消費者層と、小売り側が狙いたいエリアに限定して流すように設定した。
こうした枠組みを考案したのは、電通の渡部さおり氏(プロモーション・プランニング局コミュニケーション・ディレクター)が率いるチームだ。第一弾の9社に続き、継続も含め第二弾が約20社、第三弾が約10社と、全体でおよそ40社が参加する企画となった。電通はこれを「W(ダブル)クライアント広告による流通キャンペーンスキーム」と名づけ、他業種でも応用しようとしている ...