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ヒットの仕掛け人

スナックの「突き抜けた価値」を提案 新たなカテゴリーの創出への一歩

湖池屋「スゴーン」

従来の「湖池屋 スコーン」を高級化したスナック「スゴーン」は、湖池屋がスナック市場における新たなプレミアムスナック」カテゴリーの創出を目指し、開発した商品だ。ことし7月の発売以降、ソーシャルメディアなどを介して認知が広がり、売り上げも上々だという。新たなカテゴリー定着への一歩を踏み出しつつある同商品のヒットの仕掛け人に取材した。

2017年7月に発売された「スゴーン」は、ことしで発売30周年を迎える「スコーン」がグレードアップした商品。「スナックに興味がない人や離れてしまった人にも訴求し、スナック市場を盛り上げたい」と、湖池屋でマーケティングを担当する内田圭亮氏は語る。販売価格も売上金額も低下するスナック市場で、発売前から消費者の心を捉え、ヒットを生んだ「スゴーン」の戦略とは。

湖池屋
マーケティング部 第2課 課長
内田 圭亮 氏

―「スゴーン」の開発にあたっては、どのような背景があったのでしょうか。

当社調べだと、スナック市場の売り上げ規模は小売金額で約4000億円、新商品は年間で約1000アイテムが発売されています。ただ、その中で定着する商品は2~3%と、かなり厳しい。新商品といえども従来品の味違いだったりと、どうしても似たような商品が多く、結果、あまり手に取ってもらえていないというのが現状ではないかと考えました。

また、スナック菓子は売り上げ単価が下がっているにもかかわらず、売り上げ金額も減少している。本来であれば、単価が下がることによって手に取ってもらえる機会は増えるはずなのですが、そうなっていないのは、スナック市場全体の価値を感じてもらえなくなっている可能性があるのではと考えていました。

そこで当社は、昨年の10月にコーポレートブランドの統合を実施したことをきっかけに、「新生 湖池屋」としてお客さまにしっかりと価値を受け取ってもらえるよう「湖池屋品質」をつくっていく方針を立てました。スナック市場を盛り上げてさらに拡大させるためにも、いままでスナックに興味がなかった人や離れていってしまった人も含め、さまざまな人にスナックのおいしさを楽しんでもらいたい。

そこで、これまでにない突き抜けた価値を提供することでスナックの価値を感じてもらおうと、製法や素材、パッケージ、デザインなどすべてにこだわったポテトチップス「KOIKEYA PRIDE POTATO」を発売したところ、大変好評を得ました。やはりお客さまはこういったワクワクするようなものを求めていて、本当に欲しいと思ってくれれば、価格を気にせずに購入してくれる。そのインサイトをしっかり捉えられれば、スナック市場はまだまだ伸びるということを実感できました。

湖池屋のラインナップは、大きく分けて「ポテトチップス」などのポテト系と、「スコーン」などのコーン系があります。「スゴーン」は、今回の「KOIKEYA PRIDE POTATO」の成功を受けて、コーン系のお菓子でも同様にお客さまに価値を感じてもらえる商品が出せるのではないかと考えたことから、開発がスタートしました。

―「スゴーン」の価値を感じてもらうために、具体的にはどのような工夫をされましたか。

例えば、「KOIKEYA PRIDE POTATO」もそうですが、パッケージはいままでのスナックの棚にまったくなかったものになっていると自負しています。スナックのパッケージといえば、袋状で自立はしないのが基本フォーマットですが、「スゴーン」と「KOIKEYA PRIDE POTATO」は自立する形になっている。というのも、これまでのスナックのように寝てしまうパッケージは存在としては当然「モノ」なのですが、立つものには何か人格がありそうに感じます ...

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