ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。
創業は大正年間 末広型の手巻ずしを考案
東京・築地に本店を置く玉寿司は、創業90年を超える老舗すし店だ。全国で親しまれている末広型の手巻ずしを初めて考案したのが、玉寿司だと言われている。1971年(昭和46年)のことだ。
現在は、首都圏に29店舗を展開している。売上高は徐々に拡大しており、2011年の約33億円から2016年は約43億円、ことしは45億円を目指す。
1993年からは、末広手巻の形状にちなんで、毎月8日を「手巻きの日」とうたい、この日は全35種類の手巻を、どれでも1本100円(税別)で提供している。
玉寿司の中野里陽平・代表取締役社長は「手巻きの日は"お客さまへの日頃の感謝"という意味合いでスタートしました。元祖ということで、マスコミにもたびたび取り上げられています」と話す。
桜の壁画はじめ空間を演出 女性客など新たな顧客層を開拓
玉寿司は出店するエリアや来店客の特性に合わせて、店舗の外観や内装などの空間デザインを変えているのが特徴だ。
晴海通り店(東京・中央区)の外観はガラスを大胆に使った特徴的なデザインが印象的。大通りの角地という立地を生かし、昼は自然光、夜は店内の明かりや賑やかさが外から認識できるようにし、店舗の認知向上につなげた。
こうした外観デザインは、店舗コンセプトである「若い女性でも気軽に利用でき、長く愛されるすし屋」に合った、明るさや清潔さを表現するためのアイデアでもある。
顧客層は、30歳代~70歳代の男女と幅広い。築地近くということもあり観光客が多く訪れるほか、会社員やファミリー層なども来店する ...