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経営トップ 販促発想の着眼点

『ワイン体験』を提供して着実なファンづくりを目指す

モトックス

ユニークかつ効果的なプロモーションを展開する企業のトップに、どのような視点で販促を考え、展開しているのかを聞く。

取締役社長 平岡篤氏
1949年6月大阪府八尾市生まれ。関西学院大学卒業後に大手アパレルメーカーに就職。1977年「元なしや」現在のモトックス入社。営業、商品開発、販促企画などを担当した後、ナショナルブランド取り扱いからの脱却と、オリジナルワインの直輸入を推進。2000年取締役副社長。2010年より現職。

創業100年を超える老舗 2000アイテムを扱う

モトックスは酒類や食料品を販売する小売店「元なしや」として、1915年大正4年に大阪で創業した。戦後、小売店からビールや日本酒などを扱う卸売業に転換し、現在はワインをメインとして卸事業を展開している。

ワインの直輸入を開始したのは1996年。1997~1998年にかけて赤ワインブームが起こると売り上げが増加した。ブームが去った後も、コストパフォーマンスの高いワインを世界各地から輸入し、顧客の支持を獲得して着実に売り上げを伸ばしてきた。

2016年の売り上げは108億5000万円。10年前の2006年は75億5200万円、さらに1996年は53億7400万円であり、この20年ほどで倍増したことになる。

ワインを主軸にするまでは、ナショナルブランドのビールや日本酒などを地元の酒販店に卸していた。

「1980年代になると、小売店におけるナショナルブランド商品の値引き競争が起こり始めました。そうなると卸売業者はいくら売っても儲けにつながりにくくなり、危機感が募りました。そこで新たな取り組みとして手がけたことのひとつが、輸入ワインの取り扱いです」(モトックス 取締役社長 平岡篤氏)

かつては店頭販売する酒販店での売り上げがメインだったため、モトックスが取り扱うワインは、店頭価格にして800円から1500円程度の商品が多かった。しかしレストランなどの飲食店での取り扱いがしだいに増え、最近は約55%を飲食店向けの業務用酒販店に卸している。

現在は、世界19か国からワインを輸入。取り扱い品目は、ワインを中心におよそ2000アイテムに上り、価格も店頭価格で700円から10万円を超えるものまで、幅広くなっている。

ワインを中心に約2000アイテムを取り扱う
モトックスは、ワインを中心に約2000アイテムの商品を取り扱っている。左から、スターレーン カベルネ・ソーヴィニヨン、ⅢB(トワベー)・エ・オウモン白、ボーモン・デ・クレイエール Gレゼルヴ。いずれも主力商品だ。

プロ向け試飲会 年間1万人を動員

モトックスは、ワインの魅力を同社の顧客である流通のバイヤーやレストラン関係者などに向けて、よりわかりやすく伝えるため、1989年から試飲会を実施している。

東京と大阪では春と秋の年2回、神戸、京都、名古屋、福岡、札幌、沖縄など主要都市では年に1~2回、そのほか20以上の都道府県においても開催し、年間の動員者総数は1万人を超える。

中でも、春と秋に東京と大阪で行う「グランド試飲会」は、同社によればワインインポーターが単独で行う試飲イベントとしては国内最大級の規模だ。シティホテルの宴会場で開催され、ことし春の東京会場は1400人以上、大阪会場は1100人以上が集まった。

2010年からは、一般消費者向けの試飲会「モトックス ワールドワイン フェスティバル」を、東京と大阪において開催している。例年、東京会場は約450人、大阪会場は約300人が来場する。来場者の年代は40歳代以上の男女や、20歳代~30歳代の女性が比較的多いという。

集客は、自社サイトでの告知や、社員や商品の取り扱い店舗などからの呼びかけがメイン。チケットはいつも販売開始後3日から1週間ほどで完売してしまうという ...

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