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何よりもまずは知ること 化粧品ラッシュのLGBTキャンペーン

化粧品のラッシュでは、2013年からLGBTに関するキャンペーンを世界的に行い、2015年1月にはラッシュジャパンが国内に向けたキャンペーンを行った。LGBTに対する取り組みに豊富な経験を持つ同社のPRマネージャー・小山大作氏に、その進め方や成果を聞いた。

#GAYISOKキャンペーンのビジュアル。直接的なメッセージは世界で3000万人にリーチした。

総額約4500万円を寄付 #GAYISOKキャンペーン

自然派化粧品の製造小売・ラッシュ(本社イギリス)が、多様な性のあり方LGBTなどを支持するキャンペーンを始めたのは2013年のことだ。同年、ロシアで同性愛プロパガンダ宣伝禁止法が成立した際、英国本社に勤めるゲイの男性社員が声をあげたことがきっかけだった。

同法は名目上、"伝統的な家族の価値を否定する"性的関係を、未成年者に奨励する行為を禁じるものだが、定義がはっきりとしないことから、同性愛者への抑圧を強めたり、暴力をふるったりという事件が起きていた。旧ソ連時代は同性愛は犯罪とされていた経緯もあり、社会全体としても否定的な見方が強い。

ラッシュが社員の意見を取り入れ、企業活動として実行に移したのは、同性愛プロパガンダ禁止法に、プーチン大統領がサインしてわずか2カ月後の2013年9月。同社の企業理念は、「ビジネスを通じて人・動物・環境に関する社会課題を解決する」というもの。LGBTも「人に関する社会課題」と認め、世界中の支社を通じてロシアに抗議するキャンペーンを開始した。

ラッシュ各支社はまず、ソーシャルメディアで「#SignOfLove(愛のしるし)」という共通の語句ハッシュタグを添え、ロシアで発生した同性愛者抑圧の事実を次々に投稿した。

2014年2月には店頭も活用し、同様のメッセージ発信や、ロシアの同性愛プロパガンダ禁止法に反対する署名活動を実施。主旨に賛同した来店者には、ピンクトライアングルを口紅などラッシュの化粧品で描き、ソーシャルメディアで拡散してもらうよう働きかけた。ピンクトライアングルは、ナチスが男性同性愛者を強制収容所に収監する際に付けた目印が由来。

2015年1月には、日本法人のラッシュジャパン独自のキャンペーンにも乗り出した。「WE BELIEVE IN LOVEキャンペーン -LGBT支援宣言-」と題した企画だ。店頭やオンライン、ソーシャルメディアを使った3つの方法で賛同者を募るという内容で、約1万8000人分の賛同を集めた。キャンペーン終了後、LGBT支援に積極的に取り組む世田谷区や那覇市など7つの地方自治体に提出。自治体からは、ポジティブな反応が多く寄せられたという。

キャンペーンはまだまだ終わらない。2015年6月には再び世界中のラッシュで「#GAYISOKキャンペーン」を実施。「#GAYISOK」と大きく記した石けん(650円・税込)をチャリティ販売し、売り上げから製造原価と消費税を除いた総額日本円で約4500万円(レートは当時)をLGBTに対する人権・権利侵害に対して活動をしている団体に寄付をした ...

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