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10万人の訪日客が利用 アプリの開発と改善ストーリー

ひと月に約10万人の訪日外国人観光客が利用するナビゲーションアプリ「NAVITIME for Japan Travel」。訪日外国人観光客の増加に合わせて利用者が年々増加している当アプリ。配信元のナビタイムジャパンに、ユーザーがアプリをより利用しやすくなるために配慮すべきことを聞いた。

アプリのキャプチャ画像。ひと月に10万人が利用している。オフライン環境下でも無料Wi-Fiスポット検索が可能だ

趣味嗜好によるものは極力扱わない

ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人観光客向けアプリ「NAVITIME for Japan Travel」は、電車・飛行機・バス・徒歩など複数の移動手段を組み合わせたルート検索機能のほか、GPS音声ナビ、オフライン環境下での無料Wi-Fiスポット検索などの機能を提供している。

当アプリは2013年10月に一般に向けてリリースされてから、現在に至るまでアップデートを繰り返し、改良を重ねてきた。

「アップデートは、市場動向を調査しながら優先順位の高い順に機能を追加する形で行いました。リリース当時の最優先課題は、インターネットに未接続のオフライン環境下でもナビゲーションが使えるようにすることでした。訪日外国人観光客は総じてネット環境に不自由しており、現在地がわからないために地図が読めないというケースも多くありました」(ナビタイムジャパン インバウンド事業部長 藤澤政志氏)

最初に追加した機能は、オフライン環境下でもスマートフォン端末のカメラ機能を活用し、撮影した道路上に、ルートなどの拡張現実を表示し、目的地まで案内する「ARモード」だ。

その後も順次オフラインで使えるWi-Fiスポットの検索機能などを追加した。

「通常、アプリはインターネットに接続していることが前提として開発されます。しかし訪日外国人向けのアプリであれば、インターネットにつながらないことを前提として開発すべきだと考えます」

次に需要が高い機能として搭載したのは、観光ガイドの情報記事だ。

内容は、レンタカーの借り方やお金の引き出し方、インターネットへの接続方法や食に関することなど基本的なハウツー記事が多く、その数は英文の記事で400本を超える。

現在は韓国語と中国語への翻訳も随時行っているという。記事は事前に「お気に入り」に登録してダウンロードすると、オフラインでも読める仕様だ。

最近では、駅のナンバリングにも対応した。交通各社では、駅名が読めない外国人にも分かりやすいよう駅をナンバリングし、駅のホームではナンバーをマークのように表示してビジュアルとしても判断しやすいよう工夫している ...

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