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多様な消費者に伝わる店頭・デジタル コミュニケーション

資生堂の化粧品カウンターにみる若年層へのアプローチ方法

資生堂は一昨年、国内外の化粧品カウンターをリニューアルした。ここでは、若年層へのアプローチ方法について、同社の宣伝デザイン部に聞いた。

リニューアルした化粧品カウンター

リニューアルのコンセプトは「先進性とおもてなし」

資生堂は一昨年、国内外の百貨店や空港に設置している化粧品カウンターを大幅にリニューアルした。主要ターゲットとなる若い世代へのアピールを強めつつ、多様な顧客ニーズに対応するため、レイアウトを工夫したり、デジタル手法を取り入れようとしたりしている。

リニューアル前はコンセプトに「ジャパニーズ・モダン」と掲げ、日本らしい素材を用い、「重箱」をモチーフにしたデザインだったが、新たなコンセプトは「先進性とおもてなし」。曲線を生かす近未来的な装いとなり、ブランドカラーの赤が映える、すっきりとしたホワイトを基調とした明るい空間になった。

資生堂にとって、若年層の獲得は急務だ。高年齢層のためのブランドという先入観が付き、若年層の選択肢から外れてしまうという課題があるためだ。

化粧品カウンターでも若い世代への訴求を強めるべく、まずはアンケートを実施した。すると、カウンターに常駐する美容部員「ビューティーコンサルタント(BC)」に、「視線を感じる」「買わされそう」といった負の印象があることがわかった。そこで心理的なハードルを取り除くため、四方の什器で囲い、座席を内側に配置した従来のレイアウトから、中央に大きなテーブルを設け、開放的になるように変更。より気軽に商品を試せるレイアウトを目ざしたという。

一方で、40歳代~60歳代が主な客層となるカウンターでは、大きなテーブルとは別にBCが個別対応できるスペースを用意。訪日客が多い店鋪に専用カウンターを、空港では短時間でも買いたい商品をすぐ探せるよう外箱を前面に出し、ディスプレーに特化したレイアウトにするなど、施設の性質に応じて、バリエーションがある。

化粧品カウンターとデータの連携も視野に

化粧品カウンターと、オンライン接点で取得したデータとの連携も視野に入る。

「当社の会員向けWebサイト『ワタシプラス』などを通じてお客さまに登録いただいた情報をもとに、より個々人に合わせた体験を店頭でご提供したいと考えています ...

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