
今、若い世代のライフスタイルが、気の合う者同士で中古品をバトンのように受け渡すスタイルへと変わりつつある。
イラスト:高田真弓
先日、ある骨董屋の主人が、こんな話をしてくれた。
「骨董というのは、200年、300年存在し続けます。一方、人間の寿命は長くて100年。そうなると、僕ら骨董屋は骨董を所有するという考えじゃないんです。前の所有者から渡された品物を、自分のところで一時預かって大切に保管し、時が来たら次の所有者に引き渡す――いわば、バトンを受け渡しする、リレーの中間走者なんです」
――これには、軽いカルチャーショックを覚えた。言われてみれば、自分の寿命より長く生きる骨董を扱うということは、そういうことなんだろう。そして、はたと思い当たった。そう言えば、最近、知り合いの若い主婦も似たようなことを話していたことを。
彼女は近ごろ、「メルカリ アッテ」なるフリマアプリを使い、生活に必要なものを中古で安く購入したり、そして使わなくなったものを売っているらしい ...
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