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SPORTS TEAMに学ぶ集客術

B.LEAGUEのデジタルマーケティング戦略

B.LEAGUE

スポーツチームの「集客施策」は、小売業やサービス業でも応用が利くはず。今月は、2016年にスタートした男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」の集客術について聞いた。

開幕戦では世界初の全面LEDコートを採用、試合と連動するCGをフル活用した演出で、9132人の観客が熱狂した。

観客をいかに集客するか

男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」は昨年9月22日に開幕した。代々木第一体育館(東京・新宿)で行われた開幕戦では、公式戦での利用としては世界初の全面LEDコートを採用、試合と連動するCGをフル活用した演出で、9132人の観客が熱狂し、翌23日の試合にも9461人が来場した。

トップカテゴリーにあたるB1リーグでは、昨年対比50%増の150万人を達成。B2も含めると200万人を突破し観客数を伸ばした。

リーグを運営するジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグの事務局長、葦原一正氏は、現状を肯定的に捉えながらも、さらなる集客に向けた課題も口にする。それは、観戦意向者数と実際の来場者数とのギャップだ。

全国で700万人いるという「バスケットボールを見てみたい」「観戦したい」という人のうち、実際に来場したのは推計で30~50万人と、10分の1以下にとどまる。さらに、来場した30~50万人もコアユーザー(来場5回以上)で見ると、推定で5万人ほど。これは「観戦したい」と思う700万人のわずか1%以下だ。「見たい」と回答しながら、実際に来場している人は限定的となる。

葦原氏は「見てみたいという人と来場する人は質的に違うので、レートが低いのはある程度仕方ありません」と認めつつも、「興味・関心のある層にいかに足を運んでもらうか。きっかけづくりが必要だ」と指摘する。

葦原氏は大学卒業後、外資系コンサルティング会社を経て、プロ野球チームのオリックス・バファローズで5年、横浜DeNAベイスターズに3年と、約8年間球団運営に関わってきた。以来、野球だけではなく、ほかのプロスポーツの動向も研究。その経験から見てもBリーグは来場者の年齢層が若いという。

「チケット購入者の50%~52%くらいが20歳代~30歳代というのは野球、サッカーと比べても圧倒的に若い。また高額席種に若い女性が座っているという点や、グループ観戦が多いというのも、バスケットボールの特徴です」

Bリーグの試合は、チケット直販サイトの「B.LEAGUEチケット」から購入し、スマートフォンアプリ「Bリーグスマホチケット」を使えばチケットレスで入場できる。

スマホがあればチケット購入から入場まで可能という手軽さが、若年層や女性の来場を促している。「開幕初年度ということもあり、因果関係についてはこれから細かく調査する必要がありますが、若年層やグループでの来場はリーグとしても注視しています。「B.LEAGUEチケット」サイトやアプリを設計するうえで、同伴者の分も同時に購入でき、かつ共有しやすくすることは意識しました」(葦原氏)

すでに都心部では、6割の来場者が「B.LEAGUEチケット」で購入し、アプリで入場している。これは初年度としては高い数字だという。今後数年間で、全国の会場で全員がスマホで入場できるようにする計画だ。

各クラブの集客をサポート

集客に関して「チケットやグッズを売るのは、基本的には各クラブがやること」と話す葦原氏。

あくまでサポートする立場となるリーグだが、すべきことは大きく2つ。ひとつはリーグのスポンサー獲得や、テレビ中継をする放送局の獲得といったこと。もうひとつは「B.LEAGUEチケット」を含むプラットフォームの提供だ。

プロ野球やJリーグはチケットやグッズ販売、ファンクラブの運営を各チームが独自に行っており、その管理も個別に行っている。一方Bリーグでは、それらのプラットフォームをリーグが開発し、B1、B2の全36チームが共通のプラットフォームを使ってチケットやグッズを販売し、ファンクラブ会員を募集している ...

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