2017年春の新商品563商品の中で、最も評価されたデザインは赤城乳業のアイスクリーム「キャレマンショコラ」だった。プラグではパッケージデザインランキングとして2015年春から半年に1回、新商品を集めて2万人に調査をしてきた。2017年春は調査対象者を2万9000人に増やし、4月にWeb調査を実施。現在累計11万人のパッケージデザイン調査データが蓄積されている。
この春、最も評価された「キャレマンショコラ」のデザインは、上部にたっぷりとホワイトスペースを確保したグラデーションを背景に、ぜいたくなチョコレートの濃厚さを感じさせるシズルイラストをほぼ下半分にあしらっている。文字デザインは伝統を印象づけるローマン体で表現し、その下に必要最小限の日本語で商品名が記載されている。赤城乳業が「チョコレートづくし」と自信を見せる言葉どおり、チョコレートに満たされる感覚を上手に表現している。
上質感を狙ったベーシックなパッケージデザインであり、それゆえに完成度の高さを追求するには制作力を求められる難しいデザインである。男女問わず、30代~40代に強く支持されている。情緒的な質感だけで終わらずに、コラボ先であるパティシエの巨匠、ピエール・エルメのチョコレートのイラストと商品の断面図で「どういった商品なのか」を上手に伝えている。
また、このデザインの完成度の高さと並んで学ぶべきことは、赤城乳業のデザインの幅の広さである ...
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