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この20年間を思い返して最も記憶に残るプロモーションは

社会やメディアが変わっても、いまだに記憶に残り続けるプロモーション企画がある。そうした企画には、時の試練に耐える、普遍的な力がある。そこで、小誌主催の企画公募賞「第9回販促コンペ」の審査員にアンケートを実施。企画する人に、これから必要とされるスキル/変わらないスキルと共に、回答してもらった。

    オリコム 企画制作本部ソリューションプランニング局
    プロモーションプランニング部
    井口富義氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 記憶に残るプロモーションを一つに絞るのはむずかしいのですが、日清食品さんのプロモーションはいつも面白いなと感じています。「もっと面白くならないか?」「これはこうやったほうがいいんじゃない?」「やっぱり、ここはこだわったよね」という部分を最後の最後まで意識しているという記事を読ませていただいたことがあり、共感した覚えがあります。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1) 考える幅やアイディアのアウトプットを既成の枠にはめないようにすること。ときにはプロモーションの範疇を飛び越えるような発想も必要かと思います。(2)クライアントの思いに寄り添うこと、そして考える量と、その企画が正しいものであると証明する実施力でしょうか。

    博報堂 デジタルビジネス推進局
    エグゼキューションデザインG インタラクティブディレクター
    石毛正義氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 (日本発)SONYハンディカム「Come with me」。心を動かされた記憶がずっと残っているから。「life is short.」というコアアイデアを、ネットを活用した体験型プロモーションで伝え、行動を促した大好きな企画です。(海外発)「Nike+」。 "365日、継続的に"ユーザーとつながることのできる、スポーツのあるライフスタイルの場をテクノロジーを活用して創造した画期的な発明だととらえています。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)アップデート能力。(2)消費者に動いてもらい、販売に貢献できる企画、実現力。テクノロジーの進化、環境の変化を楽しむ力。データ活用によるコンテクストプランニング力。消費者の心を動かし、ビジネスに貢献する実現力、チーム力がますます求められてきていると思います。

    博報堂 アクティベーション企画局
    アクティベーションプラニング三部 部長
    大久保重伸氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 ペプシコーラ「ペプシマン」の一連プロモーション。商品そのものをキャラクター化し、その高いキャラクタークオリティからCMだけでなく、ボトルキャップフィギュアにも注目が集まり、高いプロモーション効果をあげたこと。商品とともに愛されファンをたくさん作り、また、宇宙旅行プレゼントなどのスケールの大きさも記憶に残っています。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)テクノロジーへの理解。プロモーション×テクノロジーといった手法とアイデアが今後は求められるでしょう。(2)消費者の立場で世の中を見て、物を買う。その心理と行動をきちんとできること。どんな時代になっても、消費者の視点で発見・関心・共感・行動してもらうことが基本だと思います。その上で、新しい出来事や流行への貪欲さも大事です。

    読売広告社 CD統括局 コミュニケーションデザイナー
    太田理奈子氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1「P&G Thank You, Momキャンペーン」。P&Gはロンドンオリンピック~「ママの公式スポンサー」というスローガンを掲げ、世界中のママの仕事を偉業とし、エールを贈ってくれた。私もひとりの母として、その動画を見たときは、思わず涙がこぼれた。ママの仕事は当たり前だと思われがちで、感謝されることも少ない。オリンピックという最高の舞台で世界のママを味方にした秀逸なキャンペーン。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)クリエイティビティ×テクノロジーで、今まで解決できなかったことを実現する力。(2)人を洞察する力。常識を疑う力。課題を発見する力。Art & Copyの力。

    電通 プロモーション・デザイン局
    デジタル・アクティベーション部 コミュニケーション・プランナー
    來住貴宏氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 街中のゴミ箱にロゴ入りのバックボードをつけたNIKE"DUST BOX"、私が広告ってエキサイティング!と思うきっかけにもなったプロモーションで、企画の原点として大切にしています。語らずとも思わずカラダが動いてしまう「ゴミ箱をバスケットゴールに変えた」広告は、板1枚でブランドを伝え、さらに社会を良くすることにもつながる見事なアイデアだと思います。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1) 企業の課題が複雑化するこれからは、何が本当の課題で何をすれば解決できるかを鳥瞰できる視野の広さ[鳥の目]がより必要になると感じます。(2)現場で人を動かすための視点の深さ[虫の目]、さらに、激しく変化する社会の中、世の中の流れを読む視点[魚の目]もますます重要になると思います。

    グレイワールドワイド クリエイティブ局 シニア アートディレクター
    小髙龍磨氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 『スラムダンク 1億冊感謝キャンペーン』。ブランドや商品を好きになってもらうって本当に重要ですよね。それが一番むずかしいんですが。目先の売り上げだけに振り回されない広告やプロモーションを作っていかないと。井上(雄彦)先生直筆の黒板漫画にあったセリフを時々思い出してがんばっています。「ムリだっていうのは、いつだってチャレンジしてない奴よね。」

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)人間力。来るAI(人工知能)時代、社会の至るところで人工知能が普及していくと、人間にしかできない能力にスポットライトが当たっていくのかもしれませんね。(2)本質を見抜く力。プロモーションの手法がどんどん変わっていっても、これが一番大事なのではないでしょうか。

    TBWA\HAKUHODO シニアクリエイティブディレクター
    近山知史氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1「新潮社 Yonda? キャンペーン」。秀逸な数式を「美しい」と表現することがあります。僕は「Yonda?」キャンペーンに同じ美しさを感じます。「読者にとって出版社の違いなどない」というセットアップ。ムダのない思考展開。シンプルな結論。隙のないクラフト。「なんとなく派手なアイデア」を探し回っても、たどりつけない美しさがここにはあります。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)嘘をつきづらい時代になったな、と思います。あいまいな成果やイメージだけでは、もう誰もCUE(キュー)を出してくれません。抽象的な言い方で恐縮ですが、人と数字に対していつも正直な視点を持てる人が活躍している印象があります。(2)正直でいることは簡単ではありません。時に残忍な判断を迫られるからです。

    ジェイアール東日本企画 コミュニケーション・プランニング局
    プランニング第一部 アカウントプランナー
    中里栄悠氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 ネスレ キットカットの「キット、サクラサクよ。」はさまざまな点で示唆に富んだ、印象深いプロモーションです。受験生をターゲットにしたこのおなじみのキャンペーンは、1枚のポストカードから始まったと言われます。やり方はささやかでも、インサイトをつけば消費者は動く、ということに気付かせてくれるすばらしいキャンペーンだと思います。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)消費者発の口コミや評判を戦略的に生み出していく力と、KPI(重要業績評価指標)を設定し、効果を目に見えるようにする力。デジタルデバイスが身近になり、その重要性はこれからより一層増していくと思います。(2)消費者と、商品・サービスとの接点から、強いアイデアを生み出していくスキルこそが大事なものだと思います。

    電通ヤング・アンド・ルビカム ショッパーマーケティング室 室長
    藤枝テッド和己氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 「ノルウェー水産物審議会」。ノルウェー産のサーモン、サーモントラウト、サバのキャンペーン(1997年~1999年)。ノルウェー産のシーフードの販路開拓を行ったキャンペーン。料理の鉄人、道場六三郎氏を起用し、話題喚起を図るとともに、インポーターと協業した、マーチャンダイジング提案、プロモーション提案が行われた。店頭・流通プロモーションの教科書のような事例です。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)プロモーションがマーケティング全体で重要な役割を担うようになった。戦略的にプロモーションを位置づけるための、ロジカルな思考が重要になる。(2)購買行動を刺激・誘発するアイデアを発想する能力と、それをスケジュールに合わせ、予算の中で、より高いクオリティで実施する実行力。

    ワン・トゥー・テン・デザイン
    執行役員/クリエイティブディレクター
    松重宏和氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 「Nike+ FuelBand」です。従来のアプローチとは異なり、新たなプロダクト/ビジネスを開発することで、ブランドとユーザーの接点をつくり、新たな市場を生み出したこの施策は、「広告」の概念をアップデートし、「クリエイティブ」にさらなる価値と可能性をもたらしたと言えるためです。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)課題の本質を発見/抽出する能力。クライアントとの対話により、当人たちも気付いていない真の課題を発見/抽出することが、これからのクリエイターに求められる能力だと思います。(2)課題に対する最適解を導き出す能力。真の課題を解決するために最適なクリエイティブ、クリティカルで革新的なアイデアを提示する能力は、より一層重要になるはずです。

    ジオメトリー・グローバル・ジャパン シニアアートディレクター
    山本伸明氏

    Q1 ここ20年間で、もっとも記憶に残っているプロモーションは何ですか。その理由と合わせてお教えください

    A1 ペプシコーラ1本につき1つ、ペプシマンやスターウォーズのボトルキャップが付いてくるキャンペーンです。当時学生だった私も、ボトルキャップが一覧になった美しい雑誌広告を部屋に貼ってコンプリートを目指しました。広告の企画にはウィットに飛んでいたり少しひねったアイデアが必要だったりするのですが、「集めたい」という人間の本能を刺激する仕組みは、それより上位の概念だと思います。

    Q2 これからのプロモーションにたずさわる人に必要な、(1)これまでになかった技能/力、(2)これからも変わらない技能/力は、それぞれ何でしょうか。その理由と合わせてお教えください

    A2(1)これまでにない新しいデジタルテクノロジーをプロモーションに組み合わせて企画に落とし込む力が必要とされてきています。(2)とは言え、いつの時代も対象は人間です。人間の時代が続くかぎり、五感に訴えかけ、行動に移させるという仕組み自体は、これからも変わりません。

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